球児に届けたまくらの効果

 【3月4日】

 MLBシカゴカブス時代の藤川球児に「メディカルまくら」を届けたことがある。13年春のことだ。共通の知人から「球児さんに渡してほしい」と頼まれ、日本から米国へ持って行った。

 スーツケースに押し込めば型が崩れる。慎重にハードケースに梱包して機内へ持ち込み、トレーニングベースのアリゾナで手渡した。メジャー移籍一年目。球児は良質な睡眠を求めていたようで知人の厚意を喜んでいた。

 近年は「眠る事」の大切さをみんな大谷翔平から学ぶ。メジャーMVPはこのたび契約寝具メーカーのムービーに登場し、睡眠の「マイルール」を語っていた。大谷のようになりたければ「10時間睡眠」をまねて日課にすればいい。そんな教示が野球に限らず一流を志す子どもたちの界隈で流行だ。

 眠りを重んじる風潮は僕も「右に倣え」したいところだが、国際大会目白押しの今年はなかなか…。きょう開幕するWBCは侍以外のカードも楽しみたいので目をこする春になりそう。

 ところで侍ジャパンとのテストマッチは球児の目にどう映っただろう。日の丸を背負った時代を懐かしんだか。思い返せば、MLB挑戦までの道程、蓄積疲労は相当なものだった。内的、外的要因で「火の玉」を生む肉体は悲鳴をあげていたとも聞く。遠路まくらを運んで一助になれたら…当時そんな思いだったが、あの寝具がどれほど効果をもたらしたのか聞かずじまいだ。 あれから干支(えと)が一巡りした25年、阪神の優勝監督になった球児だけど、今や快眠とは程遠い生活を送っているに違いない。浅眠に陥るプロ野球開幕まで3週間ほど。本来この季節といえば「春眠(しゅんみん)暁を覚えず」。ぐっすり眠れるといわれるが虎将にはおそらく無縁だろう。

 「春眠-」の由来は古来中国、唐時代の詩人孟浩然の漢詩『春暁(しゅんぎょう)』である。

 「春眠暁を覚えず」の後に

 「處處啼鳥を聞く」と続く。

 春の眠りは心地よく、夜明けを忘れるほど寝過ごし、目覚めてみると、ところどころで啼鳥(=鳥のさえずり)…訳すればそんな感じだが、どうしても「處」に引っかかるのは職業病だ。

 「處」は「処」の旧字体で「場所」や「身を置く」の意だが、なぜ、昔は「虎」かんむりがついたのか。文献で起源を調べれば「虎の皮を敷き、または被って腰かける様子」から「適切な場所に落ち着く」という意…ほかにも諸々説が出てくる。要は「虎」の大意は「落ち着くべき所に収まるもの」。そんな解釈か。知らんけど。

 今から楽しみなWBCのファイナルは今月18日、日本プロ野球開幕の9日前だ。そのころ藤川阪神は千葉でロッテとオープン戦を戦い、いよいよカウントダウンが始まる。球児がいう「ライオンたち=侍組」も帰還し、ベストメンバーで東京へ向かう日が待ち遠しい。ショートやレフトの争奪戦、用兵の思案は「虎」のごとく落ち着くべきところに収まるか。球児の春眠を思えば、懐かしいまくらの効果を聞いてみたい気もする。=敬称略=

関連ニュース

編集者のオススメ記事

吉田風取材ノート最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    WBC/プロ野球

    チェコ
    オーストラリア
    東京ドーム試合前
    チャイニーズ・タイペイ
    日本
    東京ドーム試合前
    DeNA9
    中日7
    横 浜試合終了
    楽天0
    ロッテ1
    静 岡試合終了
    ソフトバンク5
    ヤクルト1
    ペ イ試合終了
    日本ハム3
    西武4
    エスコ試合終了

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス