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あいつは面白くない

 日南キャンプでロングティーに励むカープの選手たち
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 【11月15日】

 阪神キャンプの休日は当欄の休載日…だから、高知でのんびりしてもよかったんだけど、今年も気になったのでお邪魔してきた。

 桂浜から舟をこげばすぐに九州が見えてきそうだが、このルートは案外手間が掛かる。

 「あれ、風さん、わざわざ高知から??半端ないっすね」

 天福球場のスタンドに座っていると、カープ守備走塁コーチ広瀬純に見つかった。14日の朝、高知から伊丹経由で宮崎へ飛び、日南市へやってきた。空港から海岸線を1時間半。わりと面倒な道のりだけど、観に来て損はなかった。

 11日からスタートしたセ・リーグ覇者の秋季キャンプは20日に打ち上げる。今月初旬まで日本シリーズを戦ったので期間はわずか10日間。「3連覇おめでとう」「感動をありがとう」。そんな横断幕があちこちに掲げられる港町への感謝、いわば今回は「顔見せ」キャンプ…なんて、書いたら怒られそうだ。4連覇へ、熱い、熱い。

 日米野球に参戦する代表組、そして抜釘手術明けの鈴木誠也らをのぞくメンバーが、安芸よりさらに温暖な南国で〈昨秋同様〉ガッツリ体をいじめ抜いていた。

 一年前も感じたことだが、このチームの秋季キャンプには「特打メンバー」という概念がなさそうだ。指名された選手ではなく野手全員が特打をするので…。

 朝からさんざん打ち込んだ後、練習の締めは全員でロングティー打撃を行うのだが、迫力がある。「1ケース200球×2です」。カープ担当が教えてくれた。全メニューのラストに一人400球を全てフルスイングで外野へ飛ばし続ける。トスをあげる方も重労働に見えるんだけど、この役回りを裏方さんにまじって監督の緒方孝市も毎回やる。300球を過ぎたあたりからバテて打球が失速する者もいる中、最後までフルスイングが衰えないツワモノがいた。

 「あいつは、面白くない」。緒方以下、コーチ陣がそう漏らしていた。あえて最後にきついメニューを取り入れている以上、バテ知らずでやりきるヤツは「やらせ甲斐がない」というわけだ。

 今年レギュラーを獲った野間峻祥(のま・たかよし)である。ルーキー時代にひょんなことで顔見知りになり、以来、会えば言葉を交わす。この日(15日=カープのキャンプ休日)の朝、高知へ帰る前に天福球場へ寄ってみると、休養日返上の選手が一人…。

 「練習をやっておかないと不安な気持ちがあるので。例え結果が出なくても、自分はあれだけやった…というものをもっておきたいというか。僕は誠也を見ているので分かるんですけど、あれだけレギュラーで活躍している誠也でさえ、来年はどうなるか分からないという危機感をもって練習をやっていると思いますし、そこは僕も負けていられないので…」

 丸佳浩の去就が気になる鯉党にとっては、そんな野間の気概が頼もしい。いや、阪神ファンにとっては、この兵庫出身の25歳がビッグになっていくと、ちょっぴり複雑…かもしれない。 =敬称略=

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