阪神・中野 V裏側に“ファミリー”の存在 8月野手会で結束力強固「当たり前のことを当たり前にできるチームになった」
阪神・藤川球児監督から、今季のMVPの一人に選ばれた中野拓夢内野手(29)がデイリースポーツの取材に応じた。今季は選手会長としてチームを引っ張り、セ・リーグを圧倒的な強さで制した。日本一には届かなかったが、シーズンを通して際立った強さの裏側、さらに“ファミリー”と称する絆の深さを明かした。
◇ ◇
デイリースポーツ読者のみなさん、今年も1年間応援ありがとうございました。去年は個人的に苦しみましたが、今年は成績ではある程度、貢献できたかなと思っています。なのでリーグ優勝はすごくうれしかったです。
チームとしては個人個人の役割が、しっかり分かるようになったと思います。当たり前のことを当たり前にできるチームになったなと。「当たり前」のレベルも上がって、そういう集団はすごく強いなと思います。
6月に交流戦で7連敗した時も、慌てないで戦えていたと思います。終わったことなので暗くなっていても仕方ないと、チーム的にも焦ることはなかったです。
去年から選手会長になって、連覇も懸かった中で、個人としてもふがいない1年を過ごした反省がありました。今年は2年目で、ある程度会長のやるべきことも分かってきたので、チームを成績で引っ張りたいという気持ちは強かったです。
ずっと試合に出続けているのもありますし、姿勢で見せていかないといけないと思っています。立場的にはチームを引っ張っていかなきゃと、年々強く感じるようになりました。
去年はあまりやってこなかったことも、いろんな先輩方に聞きながらやりました。野手会も自分だけじゃなく、周りの人にも意見を聞いて「やろう」という形になって。それで一致団結できるならやりたかったです。
8月に名古屋でやった野手会には、ドリスや通訳も来て、あんまり会話のなかった人たちとも、いろんな話をしながらワイワイ楽しくできました。やる、やらないでは全然違いますし、リラックスしながらいい時間を過ごせたので、結束力は強まったと思います。
今はすごくファミリー感のあるチームだと思います。藤川監督はコミュニケーションも取りやすいです。野手最年長の梅野さんや原口さんが、上でどっしりといてくれて、いい雰囲気をつくってくれました。下の子の面倒も見ながら、どうやったらうまくチームが回るか考えながらやれました。後輩ものびのびできていましたし、すごくいいことだったと思います。
監督とはいろいろな話をしました。野球に関してなら「任せる」と言ってもらって、会長として「チームで何かあったら何でも言ってきてほしい」と。移動のジャージーの件も監督から意見をもらってやりました。コミュニケーションを取ることによって、監督の考えていることが分かりますし、風通しのいい関係になっているなと思います。
日本一になることができず悔しいですが、連覇できるくらいの力はあると思っています。強いチームにいられることはうれしい。本当にいいチームに入れたなと思います。
◆中野 拓夢(なかの・たくむ)1996年6月28日生まれ、29歳。山形県出身。172センチ、67キロ。右投げ左打ち。内野手。日大山形から東北福祉大、三菱自動車岡崎を経て2020年度ドラフト6位で阪神入団。21年3月26日・ヤクルト戦(神宮)でプロ初出場。盗塁王1回(21年)、最多安打1回(23年)、ベストナイン2回(22、25年)、ゴールデングラブ賞2回(23、25年)。23年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表。
関連ニュース





