阪神の顔 佐藤輝の「自覚」見られた9・26の出来事 白井球審をいたわる姿

 5回、40号2ランを放ちナインの出迎えに笑顔を見せる佐藤輝(右端)=撮影・立川洋一郎
 5回、2ランを放つ佐藤輝(撮影・北村雅宏)
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 「阪神6-2ヤクルト」(2日、甲子園球場)

 阪神・佐藤輝明内野手(26)が五回1死二塁から右越えに40号2ラン。確信歩きの一発で、10年のブラゼル以来となる大台に到達した。初回には左翼後方への先制犠飛でシーズン100打点にも到達。今季最終戦の本拠地でファンの夢をかなえた背番号8。チームの中心選手としての自覚が行動と言葉にも表れた一年だった。

  ◇  ◇

 佐藤輝の口から「自覚」という言葉を、今季は何度も聞いた。プロ5年目。チームの中心選手としての自覚が芽生えた一年になった。背中で見せるだけでなく、行動、言葉にも変化が表れた。

 記憶に新しいのは9月26日の中日戦(甲子園)。森下がストライク判定に不満げな態度を見せ、白井球審と“一触即発”となった。その後、マウンドに集まった時、佐藤輝は笑顔で白井球審の腰をポンポンとたたきながら、こう言ったという。

 「森下もかわいいやつなんすよ。言い聞かせますから。暑いけど、頑張りましょう」

 後輩のこともかばいながら、白井球審の気持ちも察した。このさりげない気遣いは、プロ入り直後には感じなかったことを感じられるようになったから。「審判の方が大変なのは理解してるし、僕らもリスペクトしているんで」。判定に納得がいかない時もある。でも、野球界を盛り上げるための一員でもある。

 「大変なことをしてるなと思うんです。褒められることなんて、ほとんどないじゃないですか。僕らはね、すごいリスペクトしてますよ」

 チームの顔として戦い抜いた一年。中心選手に成長するだけでなく、人としても大きくなった。(デイリースポーツ阪神担当・今西大翔)

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