阪神・工藤 竜中軸を3者連続K「気持ちいいっすね」最速159キロ 2軍で制球力改善、3カ月ぶり剛腕復活
「阪神0-1中日」(14日、甲子園球場)
3カ月ぶりの1軍登板で、2軍で汗を流した時間がムダではなかったことを証明した。阪神・工藤泰成投手(23)が八回からマウンドに上がり、最速159キロの直球と落差の鋭いフォークを軸に3者連続三振。速さだけでなく制球面での進歩も見せた16球。CSに向けて頼もしい右腕が救援陣に加わった。
1週間前の歓喜の輪に加わることはできなかったが、聖地に舞い戻ったルーキーが進化を光らせた。工藤が竜のクリーンアップを3K斬りで、ポストシーズンの戦力に名乗り。「決めたい時に、しっかり決められたんじゃないかと思います」。仕事を終えるとグラブを打ち鳴らし、ベンチ前で「工藤コール」を誇らしげに浴びた。
1点を争う投手戦。八回に出番を告げられた。6月4日・日本ハム戦以来、3カ月ぶりの1軍登板。「3、4、5(番)だったんで、自分もしっかり行く前から気を引き締めて行きました」。まずは上林からフォークで空振り三振を奪って、波に乗った。
長打力が自慢の細川との対峙(たいじ)。カウント3-1としてから、成長の証しを示した。簡単に四球を与えることはしない。フルカウントに持っていき、最後は5球続けた直球で勝負を決めた。「誠志郎さん(坂本)がそういうリードだったので、僕もやってやろうっていう気持ちで」。この日最速159キロを内角低めに投げ込むと、4番は反応できず見逃した。
続く福永のバットもカウント2-2からのフォークで空を斬らせた。持ち味の剛速球を生かして、圧巻の3者連続三振。大台目前の球速表示に大観衆も沸き、「気持ちいいっすね」と充実感を漂わせた。
3月に支配下を勝ち取って、開幕メンバーにも抜てきされたが、夏を待たずに試練が訪れた。6月5日に登録を抹消され、1軍から声がかからない日々が続いた。課題は明確で、制球力。「左膝が一塁側に傾いて、割れてしまう」と改善点を見つけ、フォーム固めに取り組んだ。その結果、8月以降は9試合登板で6試合四死球なしと、制球力向上へ前進した。
優勝決定後、強力ブルペン陣は石井と岩崎が休養中。今月初昇格の畠が5試合連続無失点とアピールを続ける。CS枠を狙う工藤に対して藤川監督は「まだまだ焦らないことですね。投げることのみに集中を」とさらなる上積みを促した。
もちろん工藤本人も1度の好投で満足しているわけではない。「今までだったら、一試合一試合に一喜一憂してた部分もあったので、そうはせずに。次もしっかり3人で終われたら」。結果を残し続けた先に、次なるステージが待っている。
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