阪神・佐藤輝の本塁打後の天を指さす行動 亡き祖父に「感謝の気持ちを伝えているのかな」父・佐藤博信さん手記

 佐藤輝の父・博信さん
 巨人戦でソロを放ちベースを回る佐藤輝=8月29日
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 「阪神2-0広島」(7日、甲子園球場)

 父が見てきた、虎の4番の姿とは。阪神の佐藤輝明内野手(26)の父・博信さん(58)がデイリースポーツに手記を寄せた。飛躍を確信した試合や年末年始の姿、プロ5年間の一喜一憂を明かした。博信さんの父で、佐藤輝の祖父が昨年9月に他界。祖父の願いをかなえた、孝行息子への思いを明かした。

  ◇  ◇

 輝明、優勝おめでとう。

 今年の成長は本人も言っているように、力みなく振れていますね。守備では三塁に慣れてきた感じですね。バッティングにしろ、守備にしろ、コーチの方のご指導やアドバイスの影響が大きいのではないでしょうか。

 印象に残っているのは4月20日の広島戦で、甲子園のセンターに2本のホームランを打った試合です。この一戦で、今年はやってくれそうな予感がしました。オフに接していた時は表面的にはいつものテルでしたが、“今年はやるぞ”というような静かな闘志のようなものは感じました。

 ベンチに後輩選手も増えてきて、中心選手としての自覚が出てきたのでしょう。いつまでも若手じゃないと。プロ入り後は結果が出ない時期もあって、見ていて胸が苦しい時もありましたが、あっという間の5年でした。3年目で日本一も経験させてもらい、プロ野球選手として、とても恵まれているなと感じています。

 シーズン中は交流戦の後に数時間だけ実家に帰ってきました。かける言葉はいつも同じです。「体のケアをしっかりな!」と。今年は5試合、観戦しているのですが、5戦全敗です!周りからは「もう行ったらアカン」と言われています(笑)。

 SNSなどは基本、見ないようにしてます。テルの調子がいい時だけ見ます!(笑)。デイリースポーツだけは毎日見てますよ(笑)。

 目標に掲げていたホームラン王。スゴイことを成し遂げようとしているなとは思いますが、全く実感はないですね。私の年代的にホームラン王といえば、王さんの時代ですから、同一視できないんです。

 実は昨年9月、輝明の祖父が亡くなりました。幼少期の彼に野球を教えたじいちゃんです。その祖父が以前、メディアの取材で「テルが子どもに愛される選手になるのが私の夢」と語っていたことがありました。本当にそのような選手になったなと感慨深いです。父もきっと喜んでいるでしょう!

 余談ですが、今シーズン、テルがホームランを打った時に三塁ベースを回って、天を仰ぎながら指をさしているのですが、じいちゃんに感謝の気持ちを伝えているのかなぁと勝手に思っています。本当に今年の姿を見せてあげたかった。

 今年はもう一度、優勝してくれました。父としてはとにかく、できるだけ長く現役を続けてほしいです。

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