「阪神２－３中日」（１５日、甲子園球場）

　黄色く染まったスタンドに虎党の悲鳴が響く。２－２の延長十一回、６番手・島本が崩れた。１死二塁からボスラーに左中間を破られ、決勝点を献上。「結果が全てなので」。１軍昇格後初登板となった左腕はうなだれたが、阪神・藤川監督は中継ぎ陣の奮闘をねぎらった。

　「必死に応えようとして１点ですからね。でも戦い続けるというかね。みんなが出て行かなければいけないですから」

　復帰登板を果たした先発・高橋を六回で代え、継投勝負に出た。２番手以降の木下、湯浅、及川、ネルソンがスコアボードにゼロを並べる。最後は悔しい結果になったが、先週４試合に投げた岩崎、石井の温存に成功。指揮官は「他の投手で十分にいけるという判断のもと」と説明した。

　一方で、四回の２失点は高橋と森下の失策が絡んだもの。「これは常々言っている全体のこと。ゲームを意識して、練習をするだけ」と指揮官。今季は堅守を誇ってきただけに、チームを引き締めるように指摘した。

　２位・巨人に９ゲーム差をつけて首位を独走する中、今季は５位・中日に苦戦を強いられている。対戦成績は５勝６敗。同一リーグで唯一、負け越しているが、将のスタンスは不変だ。「日々のゲームを丁寧に行う」。今季最長６カード連続勝ち越しが懸かる３連戦。切り替えて、２戦目に臨むだけだ。