【野球】阪神・中野が侍名手・源田から学んだ“無失策の足” 二塁コンバートで一変した理由とは
今季から二塁にコンバートされた阪神・中野拓夢内野手(26)が好守を連発しており、無失策を継続中だ。WBC期間中に西武・源田から教わった守備の極意を生かし、捕球時のバランスが改善。昨季まで本職だった遊撃との送球面の違いについて説明し、土のグラウンドでは「少ないバウンド」の捕球を心がけていると明かした。
華麗な身のこなしに、安定した堅守。今季、中野の守備が熱い。記憶に新しいのは2日・中日戦(甲子園)。27アウト中9個さばいたのが背番号51だったが、横っ跳びの好捕や素手キャッチからの素早い送球を披露するなど、好守連発だった。
昨季は両リーグワーストの18失策を犯したが、今季は開幕から28試合で無失策を継続中。遊撃から二塁にコンバートされ、どのような変化があったのか。
①右足のタメ
「師匠」と慕う守備の名手、西武・源田からWBC期間に学んだ教えが生きている。捕球体勢に入る際、右足が内側に向くことで体が流れやすい悪癖があったが、源田から「(足を)外側に開いた方が我慢できる」と助言を受け、右足のタメを作れるようになった。
「今はどっしり守れているというか、慌てることなくしっかり自分の捕球体勢で捕れている。右足のタメもしっかりできています」
②送球までの距離
昨季まで2年間、正遊撃手だった中野が一番、感じる遊撃と二塁の違いは何か-。「セカンドの場合はバックステップを踏んでも、しっかり強いボールが投げられますね」と送球面での「大きな違い」を実感する。
遊撃では深い位置からバックステップを踏んで送球した場合「なかなか間に合わない」ケースも多かったそうだ。二塁を守る現在は、内野と外野の境目あたりで深い位置でのポジショニングからの送球でも難なくアウトが取れている。一塁への距離が縮まり「ある程度深く守れて、打ち取った打球をしっかりアウトにできている」と手応えを深めている。
③バウンド数
捕球体勢が安定しているからこそ、甲子園などの土のグラウンドではいかに「少ないバウンドで捕れるか」を計算する。「土のグラウンドだからといって、エラーの言い訳にしたくない」。イレギュラーバウンドのリスクを減らすべく、アウトにできる確率を上げることを優先していた。
手本とするのは巨人・吉川のように、足を使った守備範囲の広い二塁手だ。9日からはヤクルト、DeNAとの甲子園6連戦。「毎試合大事な戦い。しっかりといい勝ち方ができるように」。鉄壁の守備でチームを助け、勢いそのままに無失策でシーズン完走する。(デイリースポーツ阪神担当・関谷文哉)