【新コーチに聞く・藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ】選手一人一人にある100を出してあげたい

 「新コーチに聞く」は、前日に続き藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ(59)が登場。2回目の今回は、指導の根底に置く「4スタンス理論」を学んだきっかけやこれからの指導方針について語った。

  ◇  ◇

 -阪神に新加入した。これまでオリックス、ソフトバンクといろんな球団を見てきて、他球団との違いは。

 「オリックスの現役時代にサヨナラホームランを打っても新聞の1面になったことない(笑)。指導しただけで1面になるんだもん。ビックリするよ」

 -これから指導する上でのテーマは。

 「選手が迷わないというところが一番じゃないですか。それを一番求められてきていると思うので。選手が納得して自分のバッティングを向上させていくっていうところが一番かな。ちょっと打てなくなったからあれもやってみようかな、これもやってみようかなっていうようにならないように。これを信じてやっていけば、またいい状態に戻ってくるし、またいいものが出てくる」

 -指導の根底に置く『4スタンス理論』はいつから。

 「きっかけは現役終わって、ファームのコーチを4年やったんだけれども、教えきれてない自分がいるというところかな。自分が今まで経験したことだけで選手に話をする。『俺はこれで成功したんだからお前もやったら大丈夫だ』と。でも、実際はそうみんなうまくはならない。なんでだろうという疑問があったときに、4スタンス理論の本を見つけて、これは面白いなって」

 -本を読んで、どのように4スタンス理論を研究していった。

 「それぞれ動きが分かった中でどう野球につなげていくか。広戸先生の道場にも通いながら、研究じゃないけど、いろんなことを聞いて、野球の技術に落とし込むこともできるようになったかなという感じかな」

 -藤井コーチ自身、現役時代に重心については意識していた。

 「全くしていなかった。これを知っておけば、好不調の時期というのが少なくなったかなと。そんな気がしたけどね」

 -今後、若い選手にはどのように指導していく。

 「4スタンスは性格も出る。血液型診断というのがあるでしょ。4スタンスもその性格というのがある。この子にはかいつまんで一つ一つ、話をしていかないといけないとか。ポイントだけ言っておけばいいなとか。そういう形でやっていけばいいかなと思う」

 -指導を受ける選手の姿勢は。

 「疑問に思って、質問してくるのはやっぱり興味があるということだと思う。関心があるか、ないかも伸びしろの一つになるし、その辺をどう引き出してあげるかというところ。一番最初は各選手にビックリマークをつけてあげるところから入っていく。『こんなことあるんだ!』とか『こういう考え方があるんだ!』。目からうろこみたいなものがあればベスト」

 -春季キャンプではマンツーマンで指導していくこともある。

 「もちろんそういうふうに、ピックアップしていったり。もう一つこう、できていない選手がいれば一緒にやっていこうかなと思っています。いい選手は、いいからね」

 -選手の持っている力を最大限に発揮させることが大事。

 「基本的にはその選手が持っている100があれば、その100を出せるようにしないとなと。それがね、イチローのような、とんでもない100の力が出る人間もいれば、それこそプロに入ったけどもファームで終わってしまう(人間もいる)。それは、100出してもそこまでの選手だったという可能性もあるし。ただ、それが出せないで終わらないようにしたい」

 (続けて)

 「その選手の能力を最大限に出せるようにして。そこには大きさがある。100の力を出してスーパースターになる選手もいれば、1軍のベンチまで。1軍には上がれないという選手もいるかもしれない。その選手一人一人にある100を出してあげたいなという気持ちで、やっていきたいなと思っています」

 ◆藤井 康雄(ふじい・やすお)1962年7月7日生まれ、59歳。広島県出身。現役時代は右投げ左打ちの外野手・一塁手。泉州からプリンスホテルを経て、86年度ドラフト4位で阪急(現オリックス)入団。ベストナイン2回(89・93年)。通算成績は1641試合出場で1207安打、282本塁打、861打点、打率・252。2002年現役引退後はオリックス、ソフトバンクで打撃コーチを務めた。

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