岡田彰布氏が分析 年々悪化する阪神の救援防御率 要因はキャンプの投げ込み不足

 春季キャンプのブルペンで投げ込む岩貞(右)、岩崎(左)ら=2月
 中日戦でビシエドに3ランを浴び、ぼう然とする岩貞=4月
2枚

 阪神は今季も悲願の優勝には手が届かなかった。前半戦の独走状態からヤクルトに逆転されたチームの課題はどこにあるのか。優勝へのカギは何か。レジェンドOBたちが提言する。まずは2005年の優勝監督・岡田彰布氏(63)が、3回にわたって問題点を分析した。

  ◇   ◇

 本来なら阪神の強みだったリリーフ陣。ここ3年の数字を見てみると、救援防御率が年々悪化していることがわかる。19年が2・70、20年は3・31、そして今年が3・83。3枚目の勝ちパターンを固定できなかったり、継投のタイミングなどさまざまな要因が挙げられる中で、最大のポイントはキャンプでの投げ込み不足が考えられる。

 ここ数年、投手陣が毎日ブルペンに入る機会が少なくなっているように感じていた。今年2月に宜野座キャンプを視察した第2クールでは、連投しているピッチャーはほとんどいなかった。球数も100球に届くかどうかの段階。今後、実戦が入ってくることを考えれば、第1クール、第2クールでしっかりと投げ込む必要があったように思う。

 久保田に関して言えばキャンプの1カ月間で自ら約3000球を投げ込んでいた。藤川も毎日のブルペン投球を欠かさなかった。「練習でできないことは試合でできない」という言葉があるように、練習で投げ込み、連投していないにもかかわらずシーズンでやろうと思っても無理。逆にシーズンに入っていきなりやることで調子を崩したり、故障につながってしまう。

 それを証明するように今年は開幕当初こそ救援陣は安定していたが、シーズンが進むにつれ状態は悪化していった。近年の進化しているトレーニング理論や、新しい器具が導入されていることを考えれば、救援陣の数字は上昇していても不思議ではない。

 そう考えると、やはりキャンプでの投げ込み不足、準備不足という部分に答えが行き着く。今シーズンを見て改めて思ったが、やはりプロ野球は勝たなければ、優勝しなければ誰も報われない。「よく頑張りました」で終わらせては絶対にいけない。

 そのためにリリーフ陣の連投が必要であるならば、連投できるだけの準備、連投に耐えうる強い投手陣を作らなければならない。準備段階という部分にフォーカスし、改善していくべきではないだろうか。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス