【岡田彰布氏の眼】虎よ焦るな!6週間かけて5割でいい
「阪神(降雨中止)巨人」(8日、甲子園球場)
阪神は8日、甲子園で予定されていた巨人戦が雨天中止となった。元監督で本紙評論家の岡田彰布氏(62)は、借金「6」と低迷する虎に対して「焦るな」と提言。同一カード3連敗を阻止し、6週間程度の期間を設定して勝率5割を目指していくべきと訴えた。そのための浮上策として、相手投手の右左でオーダーを変えるのではなく、調子のいい選手を固定して起用することを勧めた。
正直、この雨天中止は痛い。マツダスタジアムでいい勝ち方をして連勝。波に乗って甲子園に戻ってきたわけだから、阪神としては何としてもやりたかっただろう。
ここまでの14試合を見ても、やはり開幕カードの3連敗が響いている。そこで1勝2敗だったら、1カード、2カードでも取り戻せていたはずだ。現状で借金は「6」。ここで言えるのは、一気に勝率5割へ戻そうと考えて、焦らないことだ。
今年は過密日程になるため、現時点でチームにエンジンをかければ必ず、終盤にひずみが来る。さらに慌てて勝率5割に戻そうと考えて勝負手を誤ると、序盤で取り返しのつかない事態になってしまう。
今後の戦いを進めていく上で、まずは同一カード3連敗をしないことを考えてほしい。そして6週間くらいの期間を設定して、現状の借金「6」を返済して勝率5割に戻すくらいのイメージで戦っていく。3連戦があるなら2勝1敗、たとえ負け越したとしても1勝2敗なら十分に取り戻せる。逆に同一カード3連敗を喫してしまうと、そう簡単には取り戻せない。
現状からの浮上策としては、とにかく調子のいい選手でオーダーを固定することだ。開幕からここまでを見ていると、相手投手の右左でオーダーを変えたり、スタメン捕手を3連戦すべてで入れ替えたりというのもあった。これではチームの戦う方針、どういう野球をするのかというのが選手たちにも見えてこない。
相性もあるのかもしれないが、やはり正捕手の梅野には100試合くらいは任せたい。起用し続けた上で疲れが見えてきた、少し流れを変えたいというのであれば、そこで初めて別の選手を使う選択肢が生まれる。
とにかく今は焦らないこと、そして慌てないこと-。チームにスパートをかけるのは勝率5割に戻してからでも遅くない。現状は相手どうこうではなく、自チームの選手の状態を見極めて、少しずつ借金を減らしていってほしい。