「阪神５－０巨人」（２４日、甲子園球場）

　阪神・藤川のフォークを空振りした巨人・山本が振り逃げを狙って一塁へ駆けだす。梅野が落ち着いて送球し、試合終了。これで梅野はこの日、４つ目の補殺。今季１２０補殺に到達し、１９５４年の土井垣武（東映）を抜き、６５年ぶりとなる日本新記録を達成した。

　「シーズンを通して積み重ねてきたことが、こういう数になったと思うんで」と新記録を喜んだ梅野。「この記録に恥じないように自信を持って、今後も次の塁に進めないように、そういう意識でやっていきたい」と表情を引き締めた。

　六回には試合を決定付ける一発を放った。２番手・鍬原の代わりっぱなの直球を迷いなく振り抜いた打球は左中間席へ。「得点機だった前の打席で三振。悔しい思いをしていたので」。会心の一打はキャリアハイとなる９号２ランとなり、プロ６年目で初の２桁本塁打にリーチをかけた。

　巨人の阿部が今季限りで引退することが決まった。“打てる捕手”を目指す梅野にとっては目標としてきた存在だ。

　「ヤマを張って一発で仕留められる技術、頭脳…阿部さんは長年積み重ねてきた。僕もコツコツと年々出せていけたら」。補殺新記録、そして一発で仕留めた本塁打。梅野にとっては、攻守で自信を得た夜になった。