球児、来季は集大成のシーズン 13年ぶり悲願へ決意の単年契約

 阪神の藤川球児投手(37)が12日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持となる年俸2億円で単年契約を結んだ。会見では来季、13年ぶりのリーグ制覇を達成すれば「満足してユニホームを脱ぐことができる」と虎で集大成のシーズンと位置づけた右腕。ルーキー時代に学んだ“ノムラの教え”を引き続き実践し、防御率1点台を目標に掲げた。

 真っすぐな視線で力強く言い切った。来季の目標を問われた球児は「優勝しかない。それができれば満足してユニホームを脱ぐことができる。ただ野球が好きなんで、どこかでは野球をやってるでしょうけど(笑)」。新たに結んだ単年契約は、来季を虎での集大成と位置づけているからこそだ。

 すべてはチームが勝つために、できることは何でもやる。「今年はシーズン終盤に合わせてゆっくりやりましたけど、正直、甘くないだろうなと。エンジンをかける時期を早めたい」と力を込めた藤川。現状のリリーフ陣を見れば経験値の少ない選手が多い。

 60試合登板クインテットの中で長年の実績があるのは高橋のみ。マテオ、ドリス、桑原らは3年連続で活躍した経験がなく、岩崎は来季、先発への再転向を予定している。今年と同じように安定した救援陣が形成できる保証はない。

 だからこそ「5月、6月まではチームの形が定まらない。そこにピークを持ってこられるように」と背番号22。自らがしっかりとブルペンを支えることができれば、自然と歯車はかみ合う。そう考えるからこそ、あえてピークの時期をシーズン序盤に設定する。

 投手陣の精神的支柱であることも変わらないが「プレーヤーとして数字を求めていくことは当然。防御率1点台を目指してやっていきたい」。脳裏に焼き付いているのはルーキー時代、勉強会での野村元監督の姿だ。

 「野球のポジションの中で唯一、ピッチャーだけは自己成績を追い求めていいと。それがチームのためになる」と18年前の言葉を今も忘れない。“ノムラの教え”を胸に抱き、マウンドでバッターと戦ってきた。

 今季終盤には19試合連続無失点をマークするなど「いい感触を持ったまま、来年に入ることができる」と自信をのぞかせた藤川。防御率1点台をマークすれば、NPBでの通算防御率も1点台に再突入する。来季、13年ぶりのV奪回へ-。頼れるベテランが欠かせないピースとなって、チームの快進撃を演出する。

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