北條G倒2発!先制弾&同点弾 絶不調男が大仕事!金本監督大絶賛

 「阪神4-3巨人」(9日、甲子園球場)

 鮮やかな一発攻勢でG倒や!不振にあえいでいた阪神・北條史也内野手(22)が二回に1号先制ソロ、逆転された直後の七回にも2号同点2ラン。そして八回、上本博紀内野手(30)の1号ソロで決勝点を挙げた。二遊間コンビが全4点を叩き出す活躍で宿敵を退け、甲子園で今季初勝利。勝率を再び5割に戻した金本阪神が、今度こそ勢いに乗る。

 痛快なG倒劇を2本のアーチで導く。鮮やかに描かれた放物線の先に、黄色い花が咲いた。叫び、拳を握り、笑顔がはじけた進化の証し。鳴りやまない拍手と歓声の中、北條が勢いよくダイヤモンドを駆け抜けた。

 「(同点弾は)あまり覚えてないんで何とも言えないんですけど、飛んでいったところを見たら『行け』と叫んだので、入ってくれて良かったです」

 先制弾に加えて同点弾も放つ大活躍。まずは二回に目覚めの一発だ。2死から大竹寛の直球を中堅左への1号ソロ弾に。「バットに当てたら何とかなると思って。風もあったんで本当に良かったです」。今季の初長打が初アーチとなったが、これだけでは終わらない。

 見せ場は逆転された直後の七回。1死一塁で、カウント2-2からの5球目、大竹寛の内角シュートに巧みに肘をたたんで対応した。「打った瞬間、全然分からなかった。体を回した(という感覚)だけだったと思います」。自然な反応ではじき返したところに価値がある。左翼ポール際に運んだ同点2ランに自然とガッツポーズも飛び出した。

 金本監督も「(内角球を)うまく、こうやって打つんだよという、コンパクトに振ってうまく肘をたたんで。素晴らしいバッティングでした」と大絶賛の一打。甲子園の巨人戦の1試合2本塁打は、06年に現役時代の金本監督が記録して以来11年ぶり。伝統の一戦に、燃える要素はあった。視線の先に憧れの人がいた。

 昨年の経験、オフのトレーニング。手応えはあった。迎えた今春のキャンプでの打撃練習の様子を偶然、光星学院(現八戸学院光星)の先輩である巨人・坂本勇がインターネットで発見。そして北條に「すごくいい打ち方になったな。すごく良くなってるわ」と伝えたという。

 同じ遊撃手の偉大な先輩からの言葉。北條は「あれはうれしかったです」と振り返る。今回の3連戦中も「(苦しくても)打てるようになるから」と声を掛けられた。開幕から7試合で打率・120で0打点。苦しい中でも、積み重ねてきた練習と坂本勇からの言葉が支えとなり、恩返しの一発につなげた。

 金本監督が「うちらしくない点の取り方」という3本塁打での勝利に、北條も「これからも打ちまくってチームの勝利に貢献できるように頑張ります」と声を上げる。変わりつつある金本阪神。その中心に、背番号「2」の姿がある。

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