大和、左で初安打 1軍昇格即結果出す 金本監督「ビックリ」称賛

 「オープン戦、ソフトバンク3-2阪神」(22日、ヤフオクドーム)

 阪神の大和内野手(29)が昨秋から取り組んでいる左打ちで「H」のランプをともした。この日1軍に合流し、五回の守備から途中出場。七回に回ってきた最初の打席で左に入り、中田から中前打を放った。「ニュー大和」が両打ちでレギュラー獲りを目指す。

 野球人生を懸けたチャレンジが、新たな可能性を生み出した。この日1軍に合流した大和が、五回から上本に代わり二塁へ。そして、七回2死の場面。カクテル光線に照らされた背番号0は、左打席にゆっくりと入った。

 マウンドにはプロ通算88勝の中田。狙い球は初球だ。真ん中の緩い変化球を、上体をグッと止めてコンパクトにスイング。打球は右腕の足元を襲い、そのまま中前へ抜けていった。左打席で、1軍戦初の「H」ランプ。今季にかける思いが、結果となって表れた。

 「ファームで打つのと、1軍で打つのは違うと思います。そういう意味では、打てて良かったですね」

 14年に外野手部門でゴールデングラブ賞を獲得するなど、内野も含めて守備力は球界屈指。一方、打撃が課題と言われ続けてきた。昨年は111試合に出場し、打率・231。北條ら若手の台頭もあり、定位置を確固たるものにできなかった。

 そこで、決断したのがスイッチヒッターへの道だ。昨年10月、甲子園で行われた秋季練習で本格的に着手。中学時代にも挑戦した時期があったが、1カ月で断念したという。プロ入り後「全く考えなかった」という挑戦に今、取り組んでいる。 右打席も含め、ウエスタン4試合では打率・214。だが、福岡で奏でた快音には確かな手応えを感じた。

 金本監督は「ビックリした。打つと思わんかった。変化球だとは言え、甘い球にせよ1軍の初打席でなかなかヒットは打てないと思う」と一打を称えた。さらに七回からは中堅の守備にも就いた大和。内外野における高次元の守備は必要不可欠。だが、目指すはあくまでもレギュラーだ。

 目指す新境地は「ニュー大和」の象徴。二塁を守る上本も、安心してはいられない。

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