北條2発で遊撃獲りに大前進 12球団最速1号&スコアラー驚がくの2本目

 「オープン戦、日本ハム3-11阪神」(25日、名護市営球場)

 プロ野球のオープン戦が各地で開幕した。阪神は昨季王者の日本ハムを相手に16安打を浴びせ、オープン戦では4年ぶりの2桁得点となる11点を奪って快勝。多くの若虎が躍動した中、「1番・遊撃」で出場した北條史也内野手(22)が12球団オープン戦第1号を含む2本塁打をマーク。遊撃のレギュラー獲りを強烈にアピールした。

 クリーンアップを打つ打者のような放物線が二つ、名護の空を舞った。左翼席でオープン戦開幕を待ちわびた虎党のもとへ、北條が2本のアーチを架ける。寒風が吹き抜ける沖縄を、期待と興奮で熱くさせた背番号2。その進化は本塁打の内容が確かに示している。

 三回1死一塁で迎えた第2打席、カウント1-1からメンドーサが投じたツーシームを「センター返しを意識して」と、強いダウンスイングで捉えた。打球は弾丸ライナーで伸びていき、左中間席に着弾。虎の対外試合第1号、そしてオープン戦12球団最速となるアーチで先制点を奪うと、ネット裏の他球団スコアラーが驚がくする一発が飛び出したのは、終盤の八回だった。

 「まっすぐ一本に張って」と井口が投じた初球、内角の厳しい直球に対してきれいに体を回転させた。本来ならばフックしてファウルになる打球が、左翼ポール際へ高々と舞い上がった。左翼から右翼に吹いた風にも押し戻され、切れることなくスタンドイン。中日・佐藤スコアラーは「スライスの打球を打ったということは、甲子園の浜風にも流されない」と語り、巨人・森中スコアラーからは「体をクルッと回して捉えきった。本当にいいよね」と感嘆の声も上がる。

 北條本人は2本のアーチに「たまたまです」と言いながらも、「しっかり(打撃の)形はできてきたかなと思います」と手応えを口にする。今キャンプ、休日前と休日以外は必ず夜間練習のメンバーに名前があった。早朝早出でもウエートと特守がない日は、必ずバットを振ってきた。

 メニューの中心にあったのが息する間もなく打ち続ける連続ティー。体の軸を保ち、強くたたくイメージがこの日の打席でも表れていた。片岡打撃コーチは「まだまだこれから」と前置きした上で、「その効果は出てきているんじゃないかな」。来る日も来る日もバットを振ったことが、結果へとつながる。

 金本監督も「1年前とは(違って)かなり振る力も付いてきているし、スイングスピードも上がっていると思う」と目を細めた。「秋のキャンプから振る量はこなしてきた。いいときにしっかりと形を作れるように」と力を込めた北條。「守りがダメなんで」と六回の守備で犯した失策の反省も忘れない。中軸を打って守れる完全無欠のショートストップへ-。若き才能が確かな一歩を踏み出した。

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