高山新人王獲るゾ!35年ぶり快挙へ戦友・茂木の活躍が刺激

 阪神・高山俊外野手(23)が13日、パ・リーグ新人王有力候補の楽天・茂木栄五郎内野手(22)に負けない活躍を誓った。同級生に刺激を受け、自身も新人王の道をひた走る。セ、パ両リーグで入団1年目の新人野手が戴冠すれば、81年の巨人・原辰徳、西武・石毛宏典以来、35年ぶりの快挙だ。

 聖地・神宮で共に青春時代を過ごしたライバルが、パ・リーグで新人王を争っている。報道陣から「茂木」という言葉を聞くと、高山のほほが一瞬だけ緩んだ。明大と早大。大学日本代表ではクリーンアップを組み、日の丸を背負い戦った仲間。友の活躍に刺激を受けている。背番号9は、真っすぐ前だけを見つめた。

 「同級生ですし、負けたくないという気持ちは持っています。そういう気持ちは、大事だと思っています」

 101試合に出場して打率・283、6本塁打、36打点。高山と同じく規定打席に到達している茂木は、9勝の日本ハム・高梨と新人王を競っている。虎の黄金ルーキーはここまで出場123試合で打率・278、5本塁打、58打点。現状の数字は、茂木と互角だ。

 入団1年目の新人野手がセ・パ両リーグで新人王を獲得すれば、81年の巨人・原辰徳、西武・石毛宏典以来、35年ぶりの快挙。規定打席には未到達だが、同じく大学代表時に主軸を担ったオリックス・吉田正もプロの舞台で芽が出始めてきた。同世代の存在が、高山の成長をさらに加速させている。

 「試合は続くので、集中力をより一層高めながら全部勝つくらいの気持ちでいきたいと思います。ヒットでも、ヒットじゃなくても、チームの勝ちに貢献できるようなプレーを一つでも多くできるようにしていきたいです」

 12球団トップの得点圏打率・400を誇るバットが、勝敗の鍵を握る。チームは長期ロード明けから2勝11敗と大失速しているが、18試合連続で3番に座るルーキーは元気だ。この日は甲子園で行われた全体練習に参加し、雨の中で白球を追いかけた。14日はリーグ優勝を飾った王者・広島との一戦。普段と変わらず、一戦必勝で真正面から立ち向かっていく。

 また、現在125安打で球団単独3位の新人安打記録は、1位・坪井智哉の135安打まで残り10と迫る。勝利を第一に、新記録も視界に捉えるルーキーイヤー。全力で戦い抜いたその先に、新人王が待っている。

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