高山124安打 虎新人3位!徳網超えた 先制二塁打&会心三塁打

 「ヤクルト9-1阪神」(10日、神宮球場)

 阪神が大敗で4連敗を喫した。ルーキーのバットだけが来季への希望だ。初回1死二塁、高山俊外野手(23)が左翼へ適時二塁打を放ち、唯一の得点をたたき出した。三回には左中間へ三塁打。今季124安打とし、50年の徳網茂を抜いて球団新人歴代単独3位に浮上した。

 惨敗に沈むチームの中で、高山のバットだけが救いだった。7日・巨人戦(甲子園)以来、2試合ぶりのマルチ安打。青春時代の思い出が詰まっている神宮球場で、ルーキーがまた一皮むけた。

 初回1死二塁の先制の好機。得点圏打率リーグトップを誇る背番号9は、ヤクルト・杉浦の外角低めに沈む変化球をバットの先で拾った。打球は左中間にポトリと落ち、左翼・バレンティンが処理を誤る間に自身は二塁へ。二走・北條が一気にホームを駆け抜けた。

 さらに、三回1死では再び外角低めを捉え、今度は左中間フェンス直撃の三塁打。「いい形で打てたと思います」。今季124安打となり、50年の徳網茂を抜いて球団新人単独3位。セ・リーグでは、10年の長野久義(巨人)と並ぶ10位タイ。それでも、試合後の高山に笑顔はなかった。

 「ずっとこうやって使ってもらっているので、なんとかしたいという気持ちはあるんですけど。打席でも応援の声は聞こえますし、なんとか期待に応えたいと思っているんですが、チームの勝利に貢献できず悔しいです」

 長期ロード明けから、1勝11敗と大失速するタイガース。その全試合で3番に座る責任を感じている。だから、悔しい気持ちしかない。表情は、最後まで厳しいままだった。

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