マートンも大谷撃ち!157キロ適時打

 「オールスター・第2戦、全セ6-12全パ」(19日、甲子園)

 聖地でタテジマ以外が目立ってはならない。日本ハム・大谷の球速に奪われていたスタンドの視線を全セの阪神・マートンが奪い返した。初回、1死一、二塁。157キロを打ち砕く反撃の右前適時打。記念すべき球宴初打点となった。

 お祭り舞台でも頭は冷静だ。直球が2球続いた後のスライダーにバットは空を切ったが、6球目のスライダーは悠然と見送った。フルカウントからの8球目、右方向を意識し、コンタクトを重視した打球が一塁線を破った。

 五回、2死三塁からも右線に適時二塁打。代走を告げられ、ベンチに下がる背中に惜しみない拍手が寄せられた。2年連続通算4度目の出場となった夢舞台。10試合目、しかも多くのファンが集う甲子園での初打点。安打製造機らしい計算ぶりにも思える。

 「オオタニはすばらしい才能を持ったピッチャー。僕はオープン戦とオールスターでしかヒットを打っていない。できればレギュラーシーズンで打ちたかったね」と話したが、力と力の真剣勝負を制した充実感と高揚感が表情ににじみ出た。

 初めてボールを握り、バットを振った時の気持ちを思い返し、心の底から野球を楽しんだ。球宴だけが持つ雰囲気を存分に堪能した。他球団との外国人選手ともふれ合い、英気を養ったマートンが、後半戦も打ちまくる。

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