西岡「流れ変えたくて」指名練習に参加

 阪神の西岡剛内野手(29)が30日、甲子園で行われた指名練習にサプライズ参加した。メンバーには入っていなかったが、フリー打撃などで汗を流し「明日は雨じゃなくて雪が降って中止です!」と報道陣を笑わせた背番号7。なかなか悪循環から抜け出せないチームの流れを変えるため、休日返上でグラウンドに飛び出した。

 グラウンドへ下りていく通路。そこで球団スタッフが思わず「えっ!?」と目を丸くした。その視線の先にいたのはユニホームを身にまとった西岡。ニヤリと笑いながら階段を下りる意外な訪問者に、周囲の誰もが目を見張った。チーム関係者には事前に一切告げず、背番号7が甲子園での指名練習に加わった。

 当初、参加メンバーの中に西岡の名前は入っていなかった。首脳陣が組んだ参加者は30歳以下の控え選手が中心。それでも飛び入り参加でフリー打撃を行い快音を響かせた。和田監督、黒田ヘッドコーチに何かを告げて笑わせ、グラウンドを後にした。「明日は雨じゃなくて雪が降りますよ」と冗談を言いつつ、真意を説明した。

 「今、練習したからといって打てるわけではない。自分自身の状態は悪くない。でもチームの流れは確実に悪くて、良いときだったら変える必要は無いし、自分が指名練習に参加することはありえない。ここまで来たら必死になるとか、チームを引き締めるとかじゃない。ただ流れを変えたいと思って」

 移籍後、西岡が指名練習に参加したことはなかった。人前で努力する姿を見せることを誰よりも嫌う。そんな信念を曲げてまでグラウンドで汗を流した意味。そこには周囲へのアピールであったり、“言い訳”じみた発想は一切、ない。純粋に流れを変えたかっただけ‐。だからこそ「明日は雪が降って中止です!」と笑いながらクラブハウスへ引き揚げて行った。

 9月は6勝16敗2分けと、暗黒時代の99年以来、14年ぶりとなる月間2桁借金。阪神がCSに出場した過去3度はいずれもファーストSで敗退しているが、相手はシーズン最後の10試合の勝率が阪神と同じか、上回っている。

 残り6試合、いかに戦って本番を迎えるか。和田監督も「みんなそうやって流れを変えようと必死やわ」と言う。秋口に雪が舞うくらいのインパクト‐。それが悪循環を断ち切る重要な“きっかけ”になる。

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