サッカーのＷ杯ロシア大会に臨む日本代表は１５日、ベースキャンプ地のカザンで冒頭１５分間を除く非公開練習を行い、１次リーグ初戦のコロンビア戦（１９日・サランスク）に向けて調整した。公開練習の予定が、当日になって１６日の練習も含めて非公開に変更。西野朗監督（６３）は「リスタートの部分など、どうしてもオープンにできないところはある」と説明。コロンビア戦の当日まで、４日連続で非公開練習を行う方針を決めた。

　カザンのベースキャンプ地に“西野のカーテン”が引かれた。西野監督は就任以降、試合の２日前から非公開としてきたが、１５日になってコロンビア戦まで４日連続で非公開にすることを決定。練習後に取材に応じ「良い練習ができたか？そうですね、はい。少し非公開がゲーム（試合）まで続くけど、ご理解いただきたい」と話した。

　着々とコロンビア戦に向けて準備を進める。「リスタートの部分だとか。（先発）メンバーもそうだけど、ここに来て固めて入りたいというのもある。どうしてもオープンにできないところもあるので」。自らの口でこの日の練習内容がセットプレーの守備面だったことを明かした上で「明日はオフェンス（の練習）というところ」。詳細は明かすことはないが、日々、テーマを設けて対策を進める。

　奇策を仕掛ける。同じアジア勢のサウジアラビアがロシアに０－５で敗れた開幕戦を「真っ向から戦いにいったなという感じ。９０分、９４分に失点しているのは少し、タフに最後まで戦えていなかったのかなと思う」。アジア最終予選で戦ったサウジの敗戦を他山の石とせず「そう一朝一夕にパーフェクトにできるとは思っていないが、いろいろけん制したり探ったり、変化をつけていきたい」とした。

　同じく目についたのがピッチの劣悪さ。「ピッチがどこも悪いんだなと。ここ（カザンの練習場）も非常に悪い」。国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）が管理する練習ピッチは２４ミリ前後の長さで刈られているが「どうしてもボールがぶれるようだし、サランスクはさらに長いと聞いている。天候が良くて、質の良い大会になると思っていたけど、ピッチ上ではそうはいかない印象は受けている」。セットプレーが勝敗を分かつ可能性は通常以上に大きい。

　決戦まで残りわずか。「いや応なしに選手たちは高ぶっていると思うし、私も選手と同じ気持ち」。“カーテン”の向こう側で鋭く牙を研ぎ、コロンビアの喉元へと食らいつく。