「サッカー日本代表合宿」(5日、ゼーフェルト)
自身2度目のW杯に挑むMF山口蛍(27)=C大阪=は、4年前のブラジルW杯での失敗を念頭に、戦術よりもコンディションを重要視する考えを示した。
戦いの本質は理解しているつもりだ。山口は迷いなく言葉を紡いだ。「戦術よりも、走ったり、しっかりファイトするところが一番。それを生かすにはコンディションが100%じゃないと、大舞台でやるのは難しい」と力を込めた。
コンディショニングを強調するのには理由がある。思い起こすのは、自身初のW杯となった4年前のブラジル大会。涼しく快適なサンパウロ郊外イトゥをベースキャンプ地としたが、抽選の結果、試合会場は高温多湿の地域に集中した。「前回もいい感じで事前キャンプはできていたけど、いざ試合に行ってみると、キャンプ地が涼しくて試合会場が暑い。それで動けないというのもあった。そうならないようにしたいというのが個人的にある」と、苦い経験が身に染みている。
西野監督の初陣となった5月30日の親善試合ガーナ戦は3バックの布陣を採用。4日の練習では4バックを試すなど、指揮官の試行錯誤は続いている。山口は「短い中で戦術やフォーメーションを完璧に落とし込んでいくのは難しい」とした上で、「いろいろ戦術とかあるけど、個人の状態を初戦に向けてマックスに持っていければ。コンディションが整っていれば、どんなことでも対応できる」とコンディションの重要性を繰り返した。
かつて「戦場に赴くなら彼を連れて行く」とコンテ監督(チェルシー)に評された、チリ代表MFビダル(バイエルン)に憧れる。「タフに戦いたいし、そういう姿を見せたい」と静かに燃える寡黙な闘士が、日本の中盤を支える。