【記者の目】西野流に透けて見える苦悩の一面 “対応力”軸に23人を選出

 日本サッカー協会は5月31日、都内のホテルで会見を開いてW杯ロシア大会(6月14日開幕)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。西野朗監督(63)は選考基準について、大会を通じて幅広い戦い方ができるメンバーを選んだと明かし、経験豊富な選手でチームを構成。MF本田圭佑(31)=パチューカ、FW岡崎慎司(32)=レスター、MF香川真司(29)=ドルトムント=のビッグ3もメンバー入り。開幕時の平均年齢では過去最高の28・3歳となった。MF井手口陽介(21)=クルトゥラル・レオネサ、FW浅野拓磨(23)=シュツットガルト、MF三竿健斗(22)=鹿島=の3人が外れた。

  ◇  ◇

 西野監督が明かした23人の選考経緯から、前任者であるハリルホジッチ前監督とW杯本大会に向けたアプローチ方法が180度、異なることが見える。

 ハリル前監督は、対戦する3カ国を徹底的に分析し、大会前から各試合での戦略を事前に定めるスタイル。解任される直前にも、関係者に「既に戦い方の準備はできつつある」と話していた。自ら熟慮の末に確固たるビジョンを定め、勝利のための戦術を遂行するためのメンバーを選ぶというのが、前監督のやり方だった。

 一方、西野監督は「対応力」というキーワードを軸に、経験や実績、ポリバレントさを重要視して23人を選出。就任してからの期間が短い点は考慮すべきだが、各国と対戦する直前まで戦い方を模索し、試合中にも相手の出方やゲームの流れを見ながら変化できるメンバーを選んだ形だ。

 どちらか一方のやり方を“正解”と断ずることはできないが「西野流」から透けて見えるのは、やはり時間的な猶予のなさから来る苦悩の一面だった。(サッカー担当・松落大樹)

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