アギーレ、サイド攻撃強化へクロス特訓
「日本代表合宿」(7日、セスノック)
アジア杯連覇を目指して、開催国のオーストラリア南東部セスノックで合宿中のサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が7日、サイド攻撃の強化に着手した。フィジカル主体のメニューをこなした後に、次々とクロスボールを入れるところから開始されるミニゲームを実施。“100本クロス特訓”で両サイドからの得点パターンを増やす狙いだ。
強い日差しの下、帽子を目深にかぶったアギーレ監督は矢継ぎ早に笛を吹いた。オフ明けとなったこの日、みっちりとフィジカル強化の練習を行い、最後のメニューは、ペナルティーエリアのスペースでの5対5のミニゲーム。指揮官の笛が吹かれるたびに、四隅の一角からクロスボールが放り込まれた。
総数約100本。狙いはサイド攻撃の強化だ。4日と5日に行われた練習試合前にも、指揮官は「ボールを速く動かすことと、両サイドから積極的にクロスを入れること」を選手に注文。だが、その精度は決して高いとはいえず、非公開だった5日のハーフタイムには「クロスの質が悪い」と一喝した一幕もあったという。
アギーレ監督がサイドからの攻撃に強いこだわりを持つのには理由がある。霜田委員長が「サッカーにおいてクロスから点が生まれる確率は高い」と語れば、MF長谷部も「ゴールの5割はサイドからの攻撃から」と同調する。大型選手が少なかったこともあり、ザッケローニ前監督時代は中央突破に偏りがちだったが、サイド攻撃の強化によって得点パターン、得点数を増やすことが狙いだ。
クロスの供給役であるDF酒井高は「中(ゴール前)で合わせる人も、クロスの習慣がなければ中に入らなくなってしまう。サイドから攻め切るというつもりで意思統一することが大事」と、積極的にクロスを入れる考えを示した。アジア杯連覇へ鋭く速いクロスで相手守備を切り裂く。