「大相撲秋場所・12日目」(24日、両国国技館)
新関脇の藤ノ川(21)=伊勢ノ海=は大関霧島(音羽山)を押し倒し、4度目の対戦で初白星をマークし、9勝3敗とした。大関3人を撃破し、大の里と2差ながら優勝争いにも残った。
霧島にかち上げられ押し込まれるも、前傾姿勢を崩さず反撃の機を伺った。とっさのいなしで泳がせ、背中を見せる相手を追った。驚異の反応で体を反転させて残られ、左腕をたぐられるも構わず前進。最後は肩を押しつけ、もたれかかるように押し出した。
終始動きを止めなかった藤ノ川。場所前は出稽古先で霧島と稽古を重ねてきた。安青錦にも初勝利を挙げた今場所を振り返り「ずっと稽古をつけてくれたので、勝っていない相手にも勝てている」と語り、「霧島関は手を抜かないのでありがたかった」と重ねて感謝を口にした。
前日は藤ノ川のしこ名を授かった、先代伊勢ノ海親方の森田武雄さんが国技館で観戦。勝ち越しを報告した際は「良かったな。四股、てっぽうをしっかりやれ」と激励されたという。森田さんが藤ノ川の相撲を喜んでいると聞き「楽しみにしてくれているのは良かった」と感慨を口にした。
新三役となる新関脇で9勝。大関とりの起点となる2桁勝利も見えてきた。新三役の10勝は昨年秋場所に11勝した安青錦以来。平成以降、新三役の2桁勝利は貴花田(後の貴乃花)、若翔洋、貴ノ浪、雅山、白鵬、照ノ富士(優勝)、朝乃山、平戸海、大の里(優勝)を含め10人しかいない。うち8人が大関になっている。
177センチ、125キロの藤ノ川の快進撃。父で部屋付き親方の甲山親方(元幕内大碇)は「ええ相撲やった。いつも霧島に相撲を取らせてもらっていなかったから。場所前に一緒に稽古させてもらったのが生きている。いい恩返しができたんとちゃうかな。大関も土俵際でよく残ったけれど、そのあと勢いに任せて攻められたと思います」と驚きを口にした。10勝が目前であることは「いやいやいや。勝ち越しでも驚きなのに。まずは三役に定着してほしいですよ」と語っていた。
藤ノ川は13日目は美ノ海と対戦。「あすも頑張ります」とシンプルに決意を語った。