JFL鈴鹿の八百長行為は未遂「負けて欲しい」の指示を選手ら拒否 JFA処分発表

 日本サッカー協会(JFA)規律委員会は5日、日本フットボールリーグ(JFL)鈴鹿ポイントゲッターズの処分を発表した。

 チームに対して2020年11月29日のJFL最終戦ソニー仙台戦を没収試合(0-3で鈴鹿の敗戦)とし、罰金500万円を科した。また、運営会社社長A氏をサッカー関連活動の1カ月間禁止、オーナーB氏を同3カ月間の禁止、運営会社元役員C氏を同2年間の禁止処分とした。

 鈴鹿を巡っては、昨年12月にチームの元執行役員の男性がツイッターで八百長などの不正行為を告発。クラブはこれを否定する一方で、計7500万円の金銭要求を受け、2500万円を支払っていたと発表していた。JFLは2月に「懲罰の対象となり得る行為が発覚した」とする調査結果を公表。最終処分をJFAに委ねるとしていた。

 20年のJFL最終節では、鈴鹿と同じ三重県を本拠地とするヴィアティン三重がJ3昇格の可能性を残しており、鈴鹿は最終戦の仙台に敗れた方が三重が昇格する可能性が少なくなると分析していた。

 規律委員会によると、試合前々日のミーティングでB氏が「負けてもいい試合なので若手や出場機会のなかった選手を使ってほしい。そのまま負けるという選択肢を選んで欲しい」などと発言。翌日の監督(当時)、選手も参加したミーティングでは、C氏から「同一地域の他チームに昇格されないように負けて欲しい」などの指示があったという。スタッフ、選手に対するアンケートの回答では「八百長しろ」という明確な指示があったと断言するものもあった。

 C氏の発言について、監督(当時)は「脅迫のような雰囲気」と語り、選手もC氏の発言に対して激しく反発した。C氏は「お前らには嫌でもやってもらう」などと逆上。A氏とC氏が退席し、選手と監督だけでミーティングが続行された。

 その後、A氏は「クラブとして不正行為をしてほしいという意図は断じてない」と場を収め、「正々堂々と戦う」意思を確認するため監督や選手と誓約書を交わした。誓約書には選手14人の署名があったが、5人は試合に参加しなかった。

 試合は鈴鹿が0-1で敗れた。規律委員会は敗退行為はなかったとしたが、監督、選手らがC氏(チーム)の指示を拒否したため「八百長行為」が未遂に終わったに過ぎないとし「当事者らの行為の違法性を何ら阻却するものではない」と厳しく指摘。C氏の一連の行為が「試合の経過、結果に不当に影響を与え、操作する行為」に該当すると判断。また、最初のミーティングでのB氏の発言がC氏の行為を誘発し「サッカー界に関わる関係者の名誉と信用を毀損し、その秩序風紀を乱す行為に他ならない」と断じた。A氏についてもC氏を監督する立場にありながら、その行為を止めなかった不作為の責任は免れないとした。

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