“伊東頼り”脱却で得点パターンの構築なるか 森保監督も自覚「これから戦う課題」

 7大会連続7回目のW杯に出場する日本代表。最終予選1勝2敗の崖っぷちから大逆襲し、3月24日の豪州戦でカタール切符をつかんだ。森保JAPANの予選突破の足跡を追い、11月の本番へ向けた課題などをデイリースポーツ・サッカー担当が3回にわたって連載。第3回は長年の課題とされてきた得点パターンの構築について。

  ◇  ◇

 伊東純也の存在なしに突破は困難だっただろう。苦しんだ序盤や大一番で勝負強さを発揮して最終予選4ゴール2アシスト。自らの得点も含め5つの決勝点に絡んだ。

 驚異的なスピードはアジアの舞台では大きな武器となり、停滞した前線の中で崩しのポイントとなった。昨年10月のサウジアラビア戦は伊東が累積により出場停止となったことで攻め手を欠き、0-1で敗戦。だが、11月のベトナム戦からは4戦連発と不可欠な存在としてチームの攻撃をけん引した。

 ただ、裏を返せば“伊東頼り”の戦術でもあった。パスの出し手となる中盤の守田は「一番頼れる」としつつも、「アジアのレベルで少なからずできている部分も多い。それが欧州や南米の強いチームと試合をした時に純也君をどう生かせるか」と本大会を想定した場合の課題を挙げた。

 本来なら得点源は他にもあるはずだった。2次予選では7戦連発の南野、2試合連続ハットトリックを達成した大迫が最終予選では2人で3ゴールと低調。個の能力で圧倒的に上回れた2次予選と違い、強度の高い最終予選では迫力を欠く結果となった。

 18年W杯ロシア大会アジア最終予選では同じ10試合でチームは17得点だったが今回は11得点と攻撃面では苦戦。セットプレーはデザインされたパターンも見られたが無得点に終わり、森保監督が「これから戦う課題として取り組まなければいけない」というように、得点へつなげる一つの武器として磨いていかなければならない。

 24日のオーストラリア戦では三笘が途中出場から守田や山根と絡み先制点。個人技で2点目と“切り札”として新たな得点パターンになる可能性も示した。だが、伊東は「工夫もコンビネーションも、決めきる力も全部が足りない」とチームの現状を捉える。W杯までに連係面の向上を含め、特定の選手だけに頼らない安定したあらゆる得点パターンの構築が求められる。(終わり)。(デイリースポーツ・サッカー担当・知手健人)

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