先制弾の田中碧 段違いの覚悟「引退してもいいやと思えるくらい後悔のない試合を」

 「W杯アジア最終予選、日本2-1オーストラリア」(12日、埼玉スタジアム)

 負けられない一戦で日本が勝利した。MF田中碧(デュッセルドルフ)が大一番での先発起用に先制ゴールで応えた。それ以外の場面でも、攻守で運動量が求められる役割を全うし、勝利に大きく貢献した。

 前半8分。田中は「信じて走りました」とMF南野拓実(リバプール)からのクロスを受けると右足を振り抜き、ゴール左の完璧なコースに先制点を流し込んだ。国際Aマッチ3試合目でチームを勢いづかせる初ゴールとなった。

 「小さい子どもたちに日本がW杯に出ている姿を見せられるようにゴールという形で結果を残し、勝利に貢献できて良かった」

 試合前にユニホームを着た子どもたちが会場入りする代表のバスを写真撮影する姿を見て「夢を与えないといけない」と決意。試合終了と同時にピッチに倒れ込むまで走りきるフル出場だった。

 森保監督がこの窮地で決断したシステム変更に伴う大抜てきでもあった。4-3-3で慣れたボランチではなくインサイドハーフに入り「僕自身も初めてで練習する時間もなかった」と言うが、「結果として勝てたので良かった」と見事に適応した。

 今夏の東京五輪では全試合にスタメン出場し、指揮官の信頼は得ていた。ただ、準決勝でスペインに敗れ、田中は「スコア以上の差を身をもって体感した」と痛感。川崎からドイツ2部のデュッセルドルフに戦いの場を移してから、ここまでリーグ6試合出場でさらなる成長を遂げている。

 「この試合が終わって引退してもいいやと思えるくらい後悔のないゲームをしようと思った」と覚悟を決めての最終予選初出場で、堂々のプレーを披露。「ここから全部勝てばいけると信じている」。田中がW杯本大会へ日本を押し上げる。

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