青森山田、平成最後のV 檀崎が同点&逆転弾!主将交代でやんちゃ軍団一つに

 「全国高校サッカー選手権・決勝、青森山田3-1流通経大柏」(14日、埼玉スタジアム)

 決勝が行われ、22大会連続24度目出場の青森山田(青森)が流通経大柏(千葉)に3-1で逆転勝ちし、2大会ぶり2度目の優勝を飾った。青森山田は先制を許したが、J1札幌入りするMF檀崎竜孔(3年)が2得点を決め、終盤に途中出場のFW小松慧(3年)が追加点を奪った。11大会ぶりの頂点を目指した流通経大柏は2大会連続の準優勝に終わった。通算5ゴールの尚志(福島)の染野、立正大淞南(島根)の藤井、大津(熊本)の大竹が得点王になった。

 平成最後の選手権で青森山田が頂点に立った。西日を浴びた芝の上で目を潤ませたMF檀崎は「仲間や両親の顔が浮かんだ。最高という言葉しか出てこないくらいうれしかった」と歓喜に浸った。前半40分に同点弾を決めると、後半18分にはMFバスケスのクロスに走り込み右足で決勝点を叩き込んだ。シュート3本で2得点。今大会4得点で得点王には届かなかったが、練習から「1本中の1本」を合言葉に磨いた決定力を発揮した。

 10番を背負い、主将として絶対的エースとして君臨してきたが、黒田剛監督(48)は「檀崎に頼り切っていた」チームを「一度ぶち壊して再構築する」と、大会直前で主将交代に踏み切った。キャプテンマークを失った檀崎は「受け入れるのに時間はかかった」と明かしたが、「チームを引っ張る存在としてやることは変わらない」とピッチに集中した。

 指揮官の荒療治が実り、「個性が強く、やんちゃ」(黒田監督)だったチームは一つの方向にまとまり始めた。準々決勝以降は3試合全てが逆転勝利という粘り強さで、黒田監督は「最後に日本一のチームに成長してくれた」と目を細めた。

 「教育の上にサッカーを乗せる」と、教育者として側面を見せる高校サッカー界の名将は「雪深い青森を選択して厳しい環境で頑張ってくれた」と選手をたたえた。殊勲の檀崎も「6年間、親元を離れて青森に来てよかった」と実感を込めた。直近3大会で2度目の全国制覇を成し遂げ、常勝軍団への確かな礎を築いた。

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