青森山田が見せた魂 黒田監督「雪国はサッカーの育成において最高の条件」

試合後にポーズをとる、この試合1得点の青森山田・小松慧(左)と2得点の檀崎竜孔=埼玉スタジアム
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 「全国高校サッカー選手権・決勝、青森山田3-1流通経大柏」(14日、埼玉スタジアム)

 青森山田(青森)が逆転で2大会ぶり2度目の優勝を果たした。前半に流通経大柏(千葉)に先制点を献上したが同40分と後半18分にFW檀崎竜孔(3年)が同点&勝ち越しゴール。さらに、後半43分には途中出場の小松慧(3年)がダメ押しゴールを決めて頂点に立った。黒田剛監督は“リベンジの構図”に負けない精神的な強さを身につけた教え子達をたたえた。

 逆境は乗り越えるためにある。今大会は先制を許す展開からの逆転が目立った青森山田。黒田監督は「ゲームプランと異なった試合を重ねてきたが、よく平常心で追いつき、逆転してくれた。選手たちの成長を褒めたい」と、目尻を下げた。

 今や高校サッカーの名門。ただ、冬場は雪に包まれ、練習を制限される環境は変わらない。それでもこの環境こそが、選手たちを成長させる要因であると、黒田監督は胸を張る。

 「(OBで日本代表の)室屋や、柴崎といった選手も雪国から出てきている。苦しい思いをしながら、雪の溶けた春先にボールを蹴れる喜びを感じる。この期間が指導においてすごく重要だと感じている。必ず雪国というのがサッカーの育成において最高の条件だと示したい。3年で2度の優勝でそれを発信できたんじゃないか」。 冬の選手権では、14年度の星稜、昨年度の前橋育英と1大会前が準優勝だったチームが、決勝で敗れた悔しさを晴らすべくチームを鍛え、頂点に立つという例が見受けられていた。さらに、流通経大柏は前年度にその前橋育英に敗れて準優勝だった。黒田監督もこの点は頭にあったようで「近年、星稜が準優勝の後に優勝、前橋育英も準優勝の後に優勝とあって、今年は(相手が)流経さんと、リベンジの構図のイメージがあって、流経さんはそこにモチベーションを注いでやってきたと思う」。

 今回、これをはね返したのが、雪国魂だった。「われわれはこの1年の悔しさではなく、雪深い青森を選択し、あえて厳しい環境を中学からの子は6年、高校からの子は3年間頑張ってきた」という自分たちの積み重ねを信じた。「そういうリベンジの構図に圧倒されないように、自分たちの信念、覚悟、決断を信じて、最後の笛が鳴るまで戦おうと話した。それが実った3ゴールだった」。積み重ねてきた思いが、最高の形で結実した。

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