川口能活が奇跡セーブ連発、04年アジア杯ヨルダン戦を振り返る 今季限りで現役引退

 96年アトランタ五輪や98年フランス大会から4大会で連続W杯メンバーに選出され、長年、日本を代表するGKとして活躍してきたJ3相模原の川口能活(43)が4日、クラブを通じて今季限りでの現役引退を表明した。97年にA代表初キャップを記録してから印象深いプレーを数多く見せてきた川口だが、中でも存在感を見せたのは04年7月31日、中国・重慶でのアジア杯準々決勝・ヨルダン戦だった。

 前半11分に先制を許し、直後の14分に鈴木隆行のゴールで同点とした後、延長戦でも決着がつかず日本が先攻のPK戦にもつれこんだ。1人目の中村俊輔、2人目の三都主アレサンドロがピッチに足をとられ、立て続けに外してしまう。ここで主将の宮本がピッチの不良を理由に「公平でない」と英語で主審に直訴。これが聞き入れられ、使用するゴール(エンド)が変更されるという、非常に珍しい事態が起きた。

 だが、すぐには流れは変わらず3人目を終えて1-3と日本は崖っぷちに。ここで、川口が文字通りの守護神と化した。相手の4人目のシュートをかき出すと、5人目は枠外。ここで同点に追いついた。日本の6人目は中沢がセーブされ、再び絶体絶命に追い詰められたが、川口が再びセーブした。

 そして宮本が決めて、止めれば勝ちのヨルダンの7人目。川口に気圧されたのかポストに当ててしまい、日本の勝利が決まった。

 試合を伝える当時のデイリースポーツの紙面は「奇跡4強 川口仁王立ち」の見出しで守護神をたたえている。この後、バーレーンとの準決勝を延長戦の末に4-3で制し、地元・中国との決勝戦は3-1で快勝。大会連覇でジーコジャパンにアジアタイトルをもたらした。川口はベストイレブンにも選ばれ、帰国時には「自分のやるべきことがきっちりできた」と取材に応じている。

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