「明治安田生命J1、浦和0-1川崎」(29日、埼玉スタジアム2002)
2位の川崎がFW小林悠(30)のゴールで浦和を1-0で下し、勝ち点を69に伸ばした。同71で首位の鹿島に2差と迫り、優勝決定は12月2日の最終節にもつれ込んだ。最終節で鹿島が敵地で磐田に勝てば2年連続9度目の優勝が決定。得失点差では川崎が12上回っており、鹿島が引き分けるか敗れ、川崎がホームで大宮に勝てば逆転での初制覇となる。
また少し、奇跡につながるか細い糸をたぐり寄せた。1点リードで迎えた、後半ロスタイム。直前に交代した主将のFW小林はコートを着ることもなく、そしてベンチに座ることもなく、ピッチ上の仲間に声を張り上げていた。「本当に苦しい試合だったが、チーム一丸となれた」。試合後には、安堵(あんど)感があふれた。
目指しているようなスタイルにはほど遠かった。鬼木監督が「われわれのサッカーにはほど遠いものだった」と認めるように、相手のプレスをかいくぐり、崩すような攻撃は少なかった。それでも前半14分に、MF家長の右足クロスを小林が決めて先制。後半に入ってからは大きなピンチを何度も迎えたが、守備陣が体を投げ出して防ぎきった。
「負ければおしまいっていうのを、もう1カ月半くらい続けている。内容も良くて勝てれば一番。でもそんなことは言ってられない」とMF中村。振り向けば、リーグ14戦無敗。シーズン中盤以降、何度も振り切られそうになった鹿島との勝ち点差は最終節を前に「2」となった。
奇跡の物語を結実させるために必要なのは、3日後に迎える大宮戦での勝利。逆転Vに必要なものはと問われた小林は、珍しく言葉を強めた。「自分がゴールを決めること。勝つことだけを考えてやりたい」。つなげた望みは、もう離さない。