「ＡＣＬ・決勝第２戦、浦和１－０アルヒラル」（２５日、埼玉スタジアム）

　浦和がアルヒラル（サウジアラビア）を１－０で下し、２戦合計２－１として２００７年以来１０年ぶりにアジアの頂点に立った。日本勢の優勝は０８年のＧ大阪に次いで３度目。後半４３分にＭＦラファエルシルバ（２５）が値千金のゴールを挙げた。大会の最優秀選手にはＭＦ柏木陽介（２９）が選ばれた。浦和はアジア代表として１２月６日にアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）で開幕するクラブワールドカップ（Ｗ杯）に出場する。

　夏の盛りを迎えるころだった。７月３０日。ミハイロ・ペトロビッチ監督の後を受けて、堀孝史監督が就任した。「あまり話が達者じゃない。（取材は）得意とはしていません」。冗舌な前任者とは正反対。寡黙な男がアジア制覇に導いた。

　３バックから４バックに変更するなど、崩壊した守備の再構築に着手。時間は要したが着実に修正した。

　現役時代、ＧＫ以外全てのポジションでプレー。「いろんなポジションからの目線で伝えられるかもしれない」とその経験が指導に生きる。

　窮地に立つのは、１１年にゼリコ・ペトロビッチ監督の後を受けてＪ１残留させて以来２度目。「誠実に仕事をしていれば先につながる」。来季も続投が確実。寒風吹く晩秋、大きな花を咲かせた。