フィテッセ移籍の太田 天皇杯で花道を

 オランダ1部フィテッセへの移籍が決定したFC東京のDF太田宏介(28)は16日、メディカルチェックなどを終えて帰国し、東京・深川グラウンドで取材に応じた。サッカー人生の新たな門出に立った男は、彼の地に渡る直前に4年ぶりの天皇杯制覇という置き土産を東京に残すと誓った。

 ダークスーツに身を包んだ太田は、民放全局のテレビカメラが並ぶ中、晴れやかな表情で言葉を重ねた。移籍金は推定1億円。28歳という年齢では異例となる4年半という長期契約を結んだ。

 かねて海外挑戦を希望してきた太田は2012年、同じくオランダ1部のトゥエンテから正式オファーを受けた。だが、「当時は自信がなかった」と移籍寸前で固辞し、東京入りを決断。それから青赤のユニホームに身を包んで過ごした4シーズンで、右肩上がりの成長曲線を描いた。正確なクロスと、新たに身につけたFKで、国内屈指のサイドバックへと成長を遂げた。

 今夏、フィテッセからの打診が届く。周囲からの後押しを受け、最後は「自分の意志で移籍を決断した」。東京で育まれたのは、4年前にはなかった、揺るぎない自信だった。

 「本当にこの東京で成長させてもらった。欧州で一回りも二回りも大きくなって最後は東京に帰ってきたい」。その上で「天皇杯のタイトルを置き土産に自らの花道を飾りたい」と言葉にした。

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