柏・工藤V弾も遅延行為で決勝出られず

 「サッカー天皇杯・準決勝、横浜M0‐1柏」(29日、国立)

 柏がFW工藤壮人(22)の先制ヘッドによる得点を守り切り、1‐0で4大会ぶりに決勝に進出した。後半ロスタイムに警告を受けた工藤は、警告の累積で元日の決勝(国立)は出場停止となるが、チーム一丸となって前身の日立製作所時代以来、37大会ぶりの優勝とアジア・チャンピオンズリーグ出場権を勝ち取る。3大会ぶりの制覇を狙うG大阪は日本代表MF遠藤保仁(32)の決勝点で、鹿島を1‐0で退けた。

 ヒーローは泣いていた。サポーターに頭を下げた。後半ロスタイムのスローイン時に積極的にボールを投げなかったことで遅延行為をとられた。「僕は出られなくなりました。元日も応援をお願いします!」。試合後、拡声器で絶叫した工藤は涙をぬぐった。

 MFレアンドロ・ドミンゲスら主力3人が出場停止。負傷者などもいたため、上限の18人に足りない17人しかベンチに入れない非常事態を救った。気持ちの整理をつけた工藤は「1人1人に握手をして頼むぞと言った。(決勝は)一緒に喜びたい」と前を向いた。

 ゴールは鋭い嗅覚(きゅうかく)から生まれた。前半23分、FW沢のヘッドが横浜MのDF中沢に頭でクリアされたところに待ち構えていた。頭でねじ込み、「クリアを予測して、いい位置にいられたと思う」と、準々決勝の大宮戦に続く決勝弾を自画自賛した。

 勝っても悔し涙を流す熱血漢は、サッカーを離れると阪神ファンに変身する。西岡剛内野手、福留孝介外野手と補強が続いたが、「もともといた選手にも頑張ってほしい。伊藤隼太選手や柴田選手には、福留選手に負けずに頑張ってほしい」と、同年代の若トラにエールを送るほどの“阪神愛”の持ち主だ。

 元日は「精一杯サポートしたい」と裏方に徹する。どこまでも熱い若き点取り屋は、37大会ぶりの優勝への思いを仲間に託した。

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