「日本代表合宿」（１日、埼玉県内）

　サッカー日本代表は１日、合流が遅れていたＤＦ酒井宏樹（２２）＝柏＝ら３選手が合流し、全２５人のメンバーで埼玉県内で初戦のオマーン戦（３日・埼玉）に向け、冒頭１５分間を除く非公開練習で約１時間半の調整を行った。アルベルト・ザッケローニ監督（５９）は、疲れの見えるイレブンに軽めの練習を指示。大一番を前に“雨”の中の練習でサムライ戦士たちに“アメ”を与えた。

　決戦前、最後の“安息日”となった。ザッケローニ監督が引いたカーテンの向こう側では、選手たちの楽しそうな声が、地面をたたく雨粒の音に交じって聞こえてきた。「かなりというか、すべてがリカバリーメニューでしたね。ここでリラックスできたことで、試合に向けて良い形になると思う」と語るＤＦ長友を筆頭に、多くの選手たちは笑みを浮かべていた。

　ザック流のアメとムチだ。前日、非公開で行われた立正大との練習試合では、対戦相手にかん口令を敷いた以外にも、集中力の欠如したプレーの選手たちに、カミナリを落としていたという。現メンバーの約半数である１２人は、欧州が主戦場。欧州ではシーズンオフで、ＭＦ長谷部が「合宿も長期間でカンヅメ状態。目に見えないストレスもある」と語るように疲労度は高かった。この状況に指揮官が「（疲労度を考慮して）リラックス練習を組んでくれたと思う」（長谷部）と決定したという。

　ＭＦ遠藤、中村ら年長者を中心に“ドラフト会議”を開いて、５〜６人のメンバーを作って行うサッカーバレーを繰り返して、心身共にリフレッシュ。軽めのメニューは、試合に向けたメンタル調整も兼ねており「戦術練習をやらない不安？ないです。ミーティングもやってきているし、監督が描くサッカーもイメージできている」とＦＷ香川も充実の表情だ。

　「明日からはもう一度気持ちを引き締めてやりたい。最終予選は２度目だけど、やっぱり特別なものだから」と長友。長谷部も「監督が選手を信頼してくれてこういったメニューを組んでくれた。今度はその信頼に選手がピッチ場で応える番」。ザックと２５人のサムライたちが、心と体を整えて大一番に挑む。