世界王座決定戦バッティングで救急搬送 負傷判定で新王者、松本流星は笑顔なく謝罪「申し訳ない」「もう一度できるなら」と再戦希望
「ボクシング・WBA世界ミニマム級王座決定戦」(14日、IGアリーナ)
WBA世界ミニマム級2位の松本流星(27)=帝拳=が、同級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=との王座決定戦に臨み、5回1分26秒負傷判定3-0で勝利して新王者に輝いた。松本はスピードで圧倒していたが、偶然のバッティングで高田が転倒。顔面から出血し、立てなくなったため、レフェリーが続行不可能と判断してストップした。担架で運ばれた高田は意識はあるものの、念のため病院に救急搬送された。
松本は悲願の世界初戴冠となったものの、後味の悪い結末に、終始笑顔はなかった。ベルトを手にした後も、リング上で手を合わせて一礼。観客の前ではインタビューはなく、試合後の会見では「今は高田選手と(相手陣営の)ライオンズの関係者に申し訳ない気持ちです」と第一声でわび、「高田選手も納得してないでしょうし、またもう一度できるなら…という気持ち」と再戦を希望した。
松本は兵庫・高砂市出身で、父の影響で4歳からボクシングを始め、帝拳ジムに入門するために中学2年から上京。アマチュアで実績を残し、23年2月のプロデビュー以降は6連勝(4KO)を飾り、名門・帝拳所属で歴代最速となるプロ7戦目での世界奪取となった。
ベルトを手にしたことについては「「一つ、形としては残せたのは良かった」とうなずきつつ、「(王者の実感は)特にないです」と、喜びには浸れなかった。
◆松本流星(まつもと・りゅうせい)1998年5月14日、兵庫県高砂市出身。父の影響で4歳からボクシングを始め、名門の帝拳ジム入門を目的に中学進学と同時に上京。日大時代の全日本選手権優勝などアマチュア4冠の実績を引っさげ、23年2月にプロデビュー。左ボクサーファイター。160センチ。




