「倒しきった井上尚弥選手はさすが」長谷川穂積氏が解説「カルデナス選手は強い選手だった」

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(4日、ラスベガス)

 世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(大橋)が、挑戦者のラモン・カルデナス(米国)に2回にダウンを喫しながら8回45秒、TKO勝ちし、4団体の王座を防衛した。WBCとWBOは5度目の防衛で、IBFとWBAは4度目の防衛に成功。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、この戦いを分析した。

  ◇  ◇   

 井上尚弥選手はラスベガスでの興行のメインとあって、大きな期待を感じていたと思う。いいところを見せないといけないというプレッシャーがあって、1ラウンドからけっこう前にバンバン出ていた。2ラウンドのダウンは、少し気を抜いた隙にカルデナス選手の左フックをもらってしまった。昨年5月の東京ドームでのネリ戦で1ラウンドに喫したダウンと同じようなパターンだった。

 このダウンそのもののダメージはなかったが、カルデナス選手は勇敢に戦い、空振りでも切れがありパンチ力もあった。接近戦での肩の使い方や頭の位置の持っていき方などもうまく、強い選手だった。シンコ・デ・マヨというイベントもあり、気合もかなり入っていた。この試合でカルデナス選手の評価は上がったと思う。

 それでも、しっかり倒し切った井上選手はさすがだった。左ボディーで相手の体力を削りながら、ところどころ連打の中にカウンターを織り交ぜる攻め方が光った。手数も多いし、打ち合いもスリリングでラスベガスのファンも面白い試合だと認めてくれたはずだ。

 ちょっと粗さも出て被弾する場面もあったが、次の9月の試合へ向けてダメージは問題ないだろう。ただ、今後については負けられないだけでなく、ノックアウト勝ちを求められている中で、戦いのバランスの比重をどう取るかということを考えるのが大事になってくると思う。

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