チャンカン開幕で鈴木秀樹が宮原健斗を撃破、全日本の門番を宣言「全て僕が相手します」
「プロレス・全日本」(9日、後楽園ホール)
全日本のシングルリーグ戦、チャンピオン・カーニバルが開幕し、メインでは優勝候補の宮原健斗が鈴木秀樹に敗れる波乱があった。鈴木が21分13秒、ダブルアームスープレックスからの片エビ固めで3カウントを奪った。
ゆっくりと宮原の体を引っこ抜くような弧を描いたスープレックス。フォールを奪うと、地鳴りの様な「ヒデキコール」が後楽園ホールにこだました。表情を変えず、勝利の味をかみしめるように鈴木が仁王立ちした。
独特のマイクで鈴木ワールドを展開した。最初に「それなりに喋りたいことを用意してきたけど、やっぱりやめます。それは、この開幕戦だけでなく、宮原健斗と人生をかけた一騎打ちだったから。言葉で汚すことはしないようにします」と断りを入れた。
そして「でもちょっとだけ」と言葉を紡いだ。今年1月に全日本プロレスに入団した45歳。思い入れの強さが、言葉に込められていた。
「宮原健斗が全日本プロレスだ、というのは変わっていません」とする中で「僕が全日本プロレスで何ができるか、考えました。中を盛り上げていくのは若い選手たち、宮原健斗、青柳優馬らです」と話し「もし、全日本プロレスに何か、外からの引き金があれば、全て僕が相手します」と宣言した。大きな歓声を呼んだ。
鈴木は「誰の名前を出そうとも、出ていくのは鈴木秀樹だけです。それでもやりたいならやってみろ。オレは難しいぞ」とキッパリ。「きょう来たお客さん、マスコミ関係者、プロレス界、覚えておけ。オレが全日本プロレスの鈴木秀樹だ!」と締めくくった。
試合ではクラシカルかつ力強いグラウンドテクニックを披露。粘っこい関節技、絞り技で宮原のスタミナを奪った。逆襲のランニングニーに勢いを失いかけるも、エルボースマッシュを連発するなどしてペースを渡さなかった。最後はダブルーアームスープレックスで決着。“全日本の門番”を宣言するに値する、強さを全面に押し出した開幕星だった。
敗れた宮原は「あんな強いヤツがまだいたんだな。この世界を入ったときを思い出すような打撃、スープレックスだった」と鈴木を称賛。「ただ、オレはポジティブを取り戻したから。ここ数年、負けからスタートしたら、必ず優勝決定戦の舞台に進んでいる」と巻き返しを誓った。
チャンピオン・カーニバルは今後、福岡、大阪など全国各地を巡り、5月18日に大田区総合体育館で優勝決定戦を行う。

