さらば“野人”中西!後藤、飯伏、オカダ、棚橋の必殺技で玉砕も「受けきった」

第三世代で最後の試合をした中西学(左から小島聡、永田裕志、天山広吉)=後楽園ホール
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 「プロレス・新日本」(22日、後楽園ホール)

 “野人”中西学が引退試合を行い、約27年のプロレスラー生活に幕を閉じた。

 最後の試合は盟友でありライバルの永田裕志、小島聡、天山広吉とカルテットを結成し、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、飯伏幸太、後藤洋央紀の豪華4人組を迎撃。棚橋に雪崩式ブレーンバスター、ダイビングボディーアタック、アルゼンチンバックブリーカーを繰り出すなど大奮闘したが、最後は後藤洋央紀のGTR、飯伏幸太のカミゴェ、オカダ・カズチカのレインメーカー、棚橋のハイフライフローと必殺技の4連発を浴びて力尽きた。

 試合後のセレモニーでは第3世代からメッセージを送られ、新日本本隊選手も総出で祝福。さらに、新日本入門当時の社長だった坂口征二相談役、専大レスリング部の先輩である長州力と馳浩、デビュー戦のタッグパートナーだった藤波辰爾も駆けつけてねぎらった。

 屈強な肉体とぼくとつな人柄から“野人”と呼ばれて親しまれた中西。アマチュアではバルセロナ五輪レスリング代表となり、92年に新日本でプロデビューしてからはIWGPヘビー級王座奪取、G1クライマックス制覇など輝かしい実績を残した。だが11年6月、試合中に中心性脊髄損傷の大けがを負って長期欠場に追い込まれ、12年10月に奇跡的とも言える復帰を果たしたものの、その後はトップ戦線に食い込むことはできず、引退を決意した。

 中西はリング上での最後のあいさつで、まず「奇跡のようにオリンピックに出られて、大したことないのに新日本プロレスに取ってもらって、いい気になっていろんな失敗を繰り返して、せやけど、みんなに支えられて、特に永田、天山さん、小島さんに切磋琢磨してもらって、諸先輩方にも鍛えてもらって、後輩らにもケツをたたかれて、なんとかここまでやってこられました。ホンマにありがとうございます」と感謝。続けて、「現役は終わりなんですけど、一度プロレスラーをしたからには死ぬまでプロレスラーやと思っていますので。マサ斎藤さんもそう言っていました。死ぬまでトレーニングを続け、第二の人生を思いっきり歩んでいきたいと思っています」と宣言すると、観衆から労をねぎらう大「中西」コールが送られた。

 バックステージでは「トップどころの4人と、最高のパートナーとやったけど、やっぱりアイツらすごかった。でも、やられたけど受けきった感はある」と、敗れたものの充実感をにじませた。

 マットで戦い続ける後輩へ向けて「誰かて歴史と戦ったり、いろんなものと戦っていると思うんですけど、一番はお客さんなので、お客さんに喜んでもらえる試合をしてほしい。お客さんありきだから、プロレスはここまで栄えてきた。自分もいろんなことで失敗しているけど、お客さん大事にやってきたので、それだけは忘れんといてほしい」と熱いメッセージを送った。

 そして、「おふくろが亡くなって、おやじがここに来てて、おやじにウソをついていたわけやないけど、レスリングを始めたのはプロレスラーになりたいからであって、今までスポーツをしたことなかったから、自分の力でやったことがなかったからやりたかったとか、そういうことじゃなく、プロレスを純粋にやりたかったからレスリングを始めて、夢のオリンピックまで行けて、まさか新日本に入れるとも思ってなかったし、入ってからも坂口会長にかわいがってもうて、同期の人間に鍛えてもらって、磨いてもらって、それで今まで来られた。せやから、ホンマにこの3人には感謝の気持ちしかないです」と、高校からレスリングを始めた動機を明かしながら、第3世代に改めて感謝。「帰ったら、お母ちゃんが好きやった物を供えて手を合わせたいと思います」と天国の母へ思いをはせた。

 今後は京都にある実家が営む茶農家を継ぎつつ、プロレスにも携わっていく考えを示した。

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