チョコボール向井 脳卒中乗り越え復活 懸命なリハビリ経て飲食店経営「今が幸せ」

 大病を乗り越え、スナックのマスターとして奮闘するチョコボール向井さん
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 「人生において最大のピンチでしたから…」-。病に倒れて健康のありがたさを思い知った。昨年6月、脳卒中に倒れたチョコボール向井さん(51)は、懸命なリハビリを重ねて社会復帰。現在は東京・幡ケ谷で「チョコボール向井の店 CHOCOBALL FAMILY」をひとりで切り盛りしている。

 90年代、筋骨隆々のボディーを武器にセクシー男優として、またプロレスラーとしても一時代を築いた。プロレスを06年に引退すると、人生のセカンドキャリアを考え、新宿2丁目にスナックをオープン。男優生活と並行し、飲食店経営にも乗り出した。

 「今思えば、お金を追ってばかりでムリな生活をしていた。毎日、べらぼうに酒を飲んで、撮影に行って、肉ばかり食べてと、不摂生していました。血圧は180もあったのに…。そして50歳の時に倒れたんです」

 2丁目の店内で倒れたチョコさんは生死をさまよい、病院のベッドで意識が戻った時には、左半身がしびれて力が入らなかった。

 それでも、ボディービルなどで体を鍛えていたこともあり、リハビリにも懸命に取り組んだ。「猪木さんが言ったけど、元気があれば何でもできる。でも、元気がなければ何にもできない。痛感しました」。4カ月間の入院生活で担当医も驚く回復ぶりを見せた。

 退院後すぐに店の再オープンを決め、昨年12月に渋谷区幡ケ谷で“復活”した。「グラスを洗いながら力の入らない左手を見て泣いたこともありました」と振り返るが、仕事の合間をみては、体力回復のためジムに通う。「昔のように見栄えのいい筋肉を求めているのではなく、体幹を鍛えています。やはり再発は怖いので」。塩分摂取に気を使い、血圧測定も欠かさない。

 男優としての全盛期には年収2500万円に達したというが、現在は遠く及ばない。それでも、「今は幸せ。健康で生活できていることが幸せです」という。そして20年の東京五輪にも目を向ける。「第2の人生、健康をもっと大切に生きていこうと誓いました。今は速く走ることはできませんが、パラリンピックとかにも出てみたい。頑張れば元セクシー男優でも出られるのかな」。控えめにちょこっと笑った。(デイリースポーツ・中村博格)

  ◇  ◇

 チョコボール向井(ちょこぼーる・むかい)本名向山裕(むかいやま・ゆたか)1966年12月15日、群馬県渋川市出身。高校卒業後、プロレスラーを目指して上京も夢破れ、24歳でセクシー男優デビュー。男優としては約20年の活動で5500本のセクシービデオに出演した。99年にはプロレスラーとしてもデビュー。必殺技は“駅弁固め”。プロレス引退後の07年、新宿2丁目でスナックをオープン。17年6月23日に店で倒れる。同12月、京王新線幡ヶ谷駅北口から徒歩1分のスナック「チョコボール向井の店 CHOCOBALL FAMILY」(東京都渋谷区幡ヶ谷2の8の5近藤ビルB1、電話03・6383・3837)をオープンした。

 11月17日には1周年記念イベントを行い、友人である加藤鷹さん、小室友里さんもゲスト参加する。

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