【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】語学留学1年400万円…行きたがる娘と妻とも対立
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 高校2年の娘が卒業後にアメリカに留学したいと言っています。1年だけで400万円もかかるのだそうです。行かせてやりたいと妻が言いますが、わたしは反対です。どこの大学なのか聞くと大学ではなく語学留学のようなものを考えているとのこと。要するに親のカネというか人のカネで遊びたいだけではないかと思うのです。遊ばせてやる余裕があればいいですが、そんな余裕はありません。高校を卒業して遊びたいのなら自分のカネで遊べと。私は奨学金とアルバイトで大学を卒業したという小さいですが自負もあります。西村さんのようなお金持ちなら遊ばせてあげるのでしょうか。娘と妻連合と対立しているのがしんどいです。
【回答】 ご相談ありがとうございます。お嬢さんの留学をめぐり家族の意見が割れ、自分だけが反対しているような孤独を抱えるお気持ち、とてもよく伝わりました。語学留学に400万円。簡単に決断できる金額ではありませんし「親の金で遊ぶだけではないか」という不安が浮かぶのも当然です。ご自身が奨学金とアルバイトで大学を卒業された経験があるからこそ、“自分の力で道を切り拓くことの価値”を娘さんにも知ってほしいという強い思いも理解できます。
ただ、語学留学が遊びになるか、人生を変える経験になるかは、本人の覚悟でまったく違ってきます。異国で暮らし、言葉や孤独を乗り越える体験は、若い時期だからこそ得られる財産です。一方で、覚悟のない留学は本当にただの消費で終わる。だからこそ大切なのは「行かせる・行かせない」ではなく、まず娘さん自身の言葉を聞くことだと思います。「なぜ行きたいのか」「帰ってきて何をしたいのか」「自分でどこまで準備するつもりなのか」。その問いに、行動で答えられるかどうかが判断の軸になります。
「お金持ちなら行かせるのか」という問いに対して言えば、経済力の有無と“挑戦に価値があるかどうか”は別問題です。覚悟のない挑戦は、どれだけお金があっても意味を持ちません。逆に覚悟のある挑戦なら、身の丈に合わせて方法はいくらでもあります。
娘さんと妻との“連合”の中でしんどいと感じておられると思いますが、その根っこには「後悔のない人生を歩んでほしい」という深い愛がある。それをぶつかり合いではなく、対話へ変えていくことが今なにより大切なのだと思います。
お嬢さんにとって本当に必要なのは、反対か賛成かの結論ではなく、家族が自分の将来を真剣に考えてくれているという実感だと思います。負担や現実を丁寧に共有しながら、覚悟を持てるかどうかを一緒に確かめていく。この過程そのものが娘さんにとって大きな学びになり、最も納得度の高い選択につながっていくはずです。
◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。




