【サッカー】A代表経験ない若手が次々海外-その理由とは 代理人・ランバート謙氏「何なら22歳以下、大卒でも遅いぐらい」
サッカーにおいて、日本人選手の海外移籍が加速している。今夏は新潟のDF稲村隼翔(23)=セルティック=、湘南のDF畑大雅(23)=シントトロイデン=ら、A代表経験のない若手選手が多く海を渡った。なぜ日本人の若手選手が人気なのか。このほど、23年から代理人を務めるUDN SPORTSのランバート謙氏(37)がデイリースポーツの取材に応じ、選手の移籍に携わる立場からその理由を明かした。
今夏、連日のように日本人選手の海外移籍が発表された。新潟から稲村、MF秋山裕紀(24)、湘南からは畑に加え、UDN SPORTS所属以外の選手でもFW福田翔生(24)、DF鈴木淳之介(22)と、有望な若手が続々と海外へステップアップを果たした。ランバート氏によると、平均年齢の低さが近年のトレンドだという。
「欧州のチームが選手を買う時の基準は、クオリティーはもちろん、次に年齢なんです。25歳以下じゃないと、そもそも興味があまりない。何なら22歳以下、大卒でも遅いぐらいです」
大前提として、プロサッカー界、特に欧州で選手の移籍は、クラブにとって金銭が動くビジネスとして成立している。平均年齢の低さを念頭に、畑、稲村らA代表経験がない選手でも海外移籍が実現する観点を深掘りすると、そのビジネス的側面が浮かび上がってくる。
「お金を出して買ったものに対しては、そのお金をまた回収したい、また売りたいんです」
そもそも日本人選手は南米に比べて「リーズナブルな価格」だという。クラブとして最大のリターンを得られるように、より安く・より若い選手を獲得する流れは当然だといえる。年齢が高いほど売る難易度も上昇するため、“未完成”でも、伸びしろへの期待値の方が高くなるわけだ。
さらに視野を広げると、日章学園高からサウサンプトンに加入(その後、バランシエンヌに期限付き移籍)したFW高岡伶颯(れんと、18)ら、Jリーグを経由せずに直接、欧州に向かうケースも増えている。彼らを発掘する場が「U-17W杯」など世代別での大型大会で、スカウトにとって“大好物”の機会だという。
「多くのスカウトたちがこれらの大会の席を埋めています。彼らにとって非常に重要な優先事項となっている」。活躍した選手は、即リストアップ。日本の原石の確認に余念がない。
日本人選手の評価はなぜここまで上がっているのか。ランバート氏は「シンプルに(海外で)選手たちが活躍しているから」と推測する。中田英寿、本田圭佑ら先人に続いて、欧州でプレーする選手は年々増加。現在は強豪クラブに所属する選手が多く、必然的に評価は上がっている。それらの選手で構成された日本代表が、10月にブラジル代表を撃破して世界に衝撃を与えたこともあり、欧州マーケットでの“日本人気”は今後も続きそうだ。(デイリースポーツ・松田和城)
◇ランバート謙(らんばーと・けん)1988年3月22日、米国生まれ。高校まで米国、ドイツ、日本を転々と過ごす。日本語、英語、ドイツ語のトリリンガル。ドイツのケルン体育大学を卒業後、ドイツ1部のFCケルン、J1神戸で広報を担当。23年からUDN SPORTSに入社し代理人に転身。約20人の選手を担当している。





