【ファイト】那須川天心 「革命」途上で試金石の井上拓真戦「やっと世間に響くカードができるなと」 尚弥と将来的な対戦にも意欲

 元キックの“神童”でボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27)=帝拳=の世界初挑戦がついに決まった。同級2位で前WBA世界同級王者の井上拓真(29)=大橋=と、11月24日にトヨタアリーナ東京で開催される同級王座決定戦に臨むことが正式決定。ボクシング界に「革命」を起こすことをぶち上げている天心にとって真価が問われる一戦となるが「俺が勝った方が絶対に面白い」と、明るい未来を見据えた。

 拓真との大一番が決まった天心は「やっと世間に響くカードができるなと、すごくワクワクする」と勝敗を度外視して興奮を口にした。ボクシングでのキャリアなどを鑑みれば、戦前の勝敗予想で劣勢を避けられないが、「強いヤツに勝ってこそのベルトの価値だと思うし、今の時代すぐに(事の本質が)めくれますから。何事もSNSで調べられちゃうし、誰とやって、どういう試合をして勝つかが大事。強いヤツとやって勝つ、格闘技の根本に戻る試合だと思いました」と持論を展開しながら歓迎した。

 ともすれば勝敗以上に“対世間”は、天心が持ち続けてきたテーマだった。誰もが知る井上尚弥を兄に持つ元世界王者の拓真と戦うとあって、勝っても負けても返ってくる反響は大きい。リスクもあるが、天心が待ち望んでいたものでもあり「負けてもいい覚悟がある」と腹をくくった。井上家との戦いという構図については「(試合を)やるのは拓真選手なので意識はしない」と言いつつ、「まとめて来るなら掛かってこいという感じ」と大胆に胸をたたいた。

 8月、地元の千葉県松戸市で自身が主催した「天心祭」では、将来的な尚弥との対戦にも意欲をのぞかせる一幕もあった。盟友のお笑いコンビ「霜降り明星」粗品(32)とのトークショーで、尚弥との対戦について水を向けられると「いつかやるよ。(ボクサーなら興味があるのは)当たり前」と即答。その上で「まだ階級も違うし(自分は)チャンピオンでもないので言っても現実味はない。夢物語と思う人が多いと思う。時が来れば(言いたい)」と胸の内を明かしていた。

 23年4月にプロボクサーとしてデビューし、元世界王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ちするなど戦績を重ねてきた。今後ボクサーとしての展望で、バンタム級の王座統一や複数階級制覇の野望も口にしている。「(転向して)最初、会見した時から俺がボクシングを面白くすると言ったし、そういう自信がないといけない。俺が必ずボクシング界を変えてやろうと思ってます。(今回も)僕が勝った方が面白くなると自信を持って言えます」。天心が思い描く野望が、大きな局面を迎えた。(デリースポーツ・藤川資野)

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