【スポーツ】競泳 渡辺一平が6年ぶり表彰台でも喜ばなかった理由 世界選手権男子200平で銀

 3日に閉幕した水泳世界選手権の競泳男子200メートル平泳ぎで、昨夏のパリ五輪代表の渡辺一平(28)=トヨタ自動車=が、2019年大会以来6年ぶり自身3度目の表彰台となる銀メダルを獲得した。ただ、レース後、帰国後はともに反省が口を突いた。その理由とは-。

 準決勝を1位で通過し、渡辺は真ん中のレーンから飛び込んだ。前半100メートルを7番手で折り返し、そこからギアをアップ。150メートル地点で一気に2番手まで浮上した。金メダルは目前。ひとかきひとけり前に進み、中央でデッドヒートを繰り広げた。ただ、最後は、大外のレーンにいた世界記録保持者の覃海洋(中国)にゴール直前で差されてしまった。

 「勝てたレースだった。悔しい思いしかない」(渡辺)。2分7秒70でゴール。優勝までは、わずか0秒29だった。自己最速記録は2分6秒67。過去2大会を上回る銀メダルを獲得したが、レース直後から喜びの言葉はなかった。

 今大会の男子200メートル平泳ぎは、パリ五輪王者のレオン・マルシャン(フランス)と、21年東京五輪で金メダルを獲得したアイザック・スタブルティクック(オーストラリア)が不在。世界王者の称号を得る最大のチャンスだったことを誰よりも分かっていたことも、悔しさが残った理由の一つ。帰国後も笑顔はなく「2分7秒70で銀は、レベルが高くない。彼ら2人が出ていたら、メダルは取れずに4位だった」と反省の言葉を並べた。

 さらにもう一つ、結果に満足していられない理由がある。7月の近畿高校選手権で、16歳の大橋信(大阪・四條畷学園高2年/枚方SS)が、同種目で高校記録を13年ぶりに塗り替える2分6秒91で優勝したことだ。数字だけみれば、今回の世界選手権の1位を上回る驚異的なタイムで、渡辺も2分6秒台は自身3度しか記録したことがない大台。代表争いに10代の強力なライバルが出現した。

 北島康介氏が五輪2大会連続2冠を果たし、“日本のお家芸”と称される男子平泳ぎ。大橋をはじめ、世界選手権代表の深沢大和、パリ五輪5位の花車優など国内の戦いは、国際大会決勝に並ぶほどハイレベルなものになっている。「世界選手権の悔しさを忘れずに、来年やロスに向けてトレーニングできる人が強い選手になれる」と渡辺。これからも続く代表争い、そして28年ロサンゼルス五輪の代表を決めるレースに向けて、世界選手権銀メダルでも立ち止まっているわけにはいかない。(デイリースポーツ・谷凌弥)

 ◇渡辺一平(わたなべ・いっぺい)1997年3月18日、大分県出身。佐伯鶴城高から早大に進学した。男子200メートル平泳ぎで16年リオデジャネイロ五輪6位。17年1月には当時の世界記録(2分6秒67)を樹立した。世界選手権は17、19年大会でいずれも3位。24年パリ五輪は6位に入った。193センチ、88キロ。

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