【野球】巨人・松原、飛躍の裏に“3兄弟愛” ラーメン店で修業中の弟、芸人の兄もサポート

 今季、巨人のリーグ連覇に一役買ったのが松原聖弥外野手(25)だ。7月25日・ヤクルト戦で1軍デビューを果たすと、8月中盤からは右翼スタメンにほぼ定着。快足とシュアな打撃で勝利に貢献した。若武者の飛躍の裏には自身が「俺より野球がうまい」と語る弟・涼雄(りょうた)さんの存在があった。兄でお笑いコンビ「ロングアイランド」の侑潔(ゆい)さんも加えた3人の兄弟愛に迫る。

 埼玉県熊谷市のとあるラーメン店に筋骨隆々の男がいた。「湯切りのし過ぎでムキムキになってもうたわ」と話すのは松原涼雄さん(24)。高校時代の野球部後輩でもある私に、屈託のない笑顔を見せる。“あの”松原3兄弟の末っ子だ。長男はお笑いコンビ「ロングアイランド」の松原侑潔、次男は巨人・松原聖弥、そして三男が来秋のラーメン店開業を目指して修業中の涼雄さんだ。

 球歴は次男・聖弥よりも華々しい。中学時代は桑田真澄も輩出した大阪・八尾フレンド(ボーイズ)に在籍。高校は広陵(広島)に進み、2年時からベンチ入りを果たすと3年夏には甲子園の土を踏んだ。チームは初戦でこの年、準優勝の三重にサヨナラ負けを喫したが「2番・右翼」として2安打を放つなど、聖地を駆け回った。高校時代は仙台育英でベンチ外だった聖弥とは対照的だ。

 長男・侑潔も桜宮、関西外大で野球部に所属し、白球で結ばれる3兄弟。両親も含めた家族のグループLINEでは盛んに野球談議も行われている。シーズン中に聖弥が不調に陥った際には、涼雄さんがフォームの改善点を指摘。侑潔はバントの姿勢や心構えを助言した。翌日、同様のアドバイスを石井野手総合コーチから指導されたこともあったという。

 弟のサポートは特に強力で、聖弥の大学時代から続いている。プロ入り後も的確なアドバイスで度々、不調から救ってきている。

 3人のそれぞれの夢は幼少の頃から一貫していた。長男が「お笑い芸人」、次男が「プロ野球選手」、そして三男が「成功者」。上の2人はすでに夢をかなえた。そして涼雄さんも来年、地元・大阪で独立してラーメン店の社長になる予定。「成功者」への第一歩を踏み出す。

 それぞれが夢の舞台で輝く、才能あふれる異色の3兄弟。「いつか亀田3兄弟にも勝てるんちゃう?」と涼雄さん。その日も近いかもしれない。(デイリースポーツ・畠山賢大)

 ◆松原 聖弥(まつばら せいや)1995年1月26日生まれ、25歳。大阪府出身。173センチ、72キロ。右投げ左打ち。外野手。仙台育英、明星大を経て2016年度育成ドラフト5位で巨人入団。18年7月に支配下登録。プロ初出場は20年7月25日・ヤクルト戦(神宮)。今季は86試合で打率・263、3本塁打、19打点。

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