バレー女子4強!サオリン33点

 「ロンドン五輪・バレーボール女子・準々決勝、日本3-2中国」(7日、アールズコート)

 女子の準々決勝を行い、日本は北京五輪銅メダルの強豪中国をフルセットの末に3‐2で破り、1988年ソウル大会以来、24年ぶりのベスト4入りを決めた。9日の準決勝で28年ぶりのメダルを懸け、ロシア‐ブラジルの勝者と対戦する。日本は2‐2の最終第5セット、木村沙織(25)=東レ、江畑幸子(22)=日立=のアタックなどで攻め、18‐16で制した。日本女子が五輪で中国に勝ったのは、6試合目で初めて。

 勝利が決まった瞬間、選手たちはコート中央で抱き合い、倒れ込んで喜んだ。激闘の末に強敵を倒して、“火の鳥NIPPON”が6大会ぶりベスト4を決めた。フルセットにもつれ込んだが、中国のサーブレシーブが乱れ、ボールが大きくコート外へ。エースの木村は顔をくしゃくしゃにしながら、キャプテンの荒木に抱きつき、喜びを爆発させた。

 「すごい試合になったけど、勝つ気持ちを最後まで持てた。全て出し切れた。(中国には)なかなか勝てなかったが、五輪出場が決まってから(チームは)きょうが一番良かった」

 自身3度目の五輪の舞台。「今までと立場も役割も違う。逃げずにいく」と意気込んだ万能アタッカーは、エースとして大きく成長した。

 東京・下北沢成徳高時代、バレー女子で史上最年少となる17歳で2004年アテネ五輪に出場。当時は「お客さんみたいな感じだった」と言う。代表に定着して迎えた08年の北京五輪も、エース格の高橋みゆき(33)らに比べて目立たなかった。

 09年から指揮を執る真鍋政義監督(48)の存在が転機となった。いきなり「中心になって引っ張れ。チームが勝つのも負けるのもおまえ次第だ」と言われた。高橋が代表を退き、攻守の要になれる選手は他にいない。「腹をくくってやるしかない」と覚悟を決めた。

 監督にはミーティングで発言が少ないことを「他人任せでひきょう」と非難されたこともあった。昨年課された目標は「世界一のサイドプレーヤーになれ」。海外志向のなかった選手が五輪後のトルコ・リーグ、ワクフバンク移籍を決断したのも「もっと成長したい」との思いからだ。

 大一番で33得点を挙げた大黒柱は「今は自分が調子の悪い日は、絶対にあってはならないと思うようになった」という強い気持ちで臨み、準決勝進出という好結果につなげた。

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