MVP小笠原を敵の今野も絶賛
「サッカー・ナビスコ杯・決勝、鹿島3-0G大阪」(31日、埼玉スタジアム)
鹿島が3-0でG大阪に勝ち3年ぶり6度目の優勝を果たした。天皇杯、年間リーグ王者の国内主要タイトル通算では17冠目となった。02年以来2度目のMVPに選ばれたMF小笠原満男(36)は90分間を通じて存在感を発揮し、敵・味方を問わず称賛された。
前半4分、右サイドからの攻撃でスルスルとエリア内に攻め上がり、ボレーシュートを狙った。相手GK東口の飛び出しで打ち切れずに終わったが、ジャブとしては十分なインパクトだった。その後はゴール前に積極的に顔を出す場面はなかったが、G大阪の遠藤が持ち上がろうとすると重圧をかけて攻撃を遅らせたり、こぼれ球のフォローに汗をかいたりと、試合をコントロールした。
後半の3得点にはすべて絡んだ。後半15分の先制点は、小笠原のCKにDFファン・ソッコが頭で飛び込んだ。2点目も小笠原のCKを鈴木優が折り返し金崎がヘッド。3点目は小笠原-柴崎とつないでカイオのスピードを生かすカウンターから奪った。
小笠原は自分のプレーを「どういうプレーをしたら効果的か、相手がいやがるかというのが自分の仕事」と振り返った。鹿島の石井監督は「前半、目立たなかったと思われるかもしれないですけど、こぼれ球の反応だったり、(守備で相手を)挟み込みにいくタイミングだったり、非常にやってくれていたなと」と90分を通じてプレーぶりを絶賛。対戦相手のMF今野も「鹿島の中心ですし、プレーで見せるというか、ファイトして戦っている。満男さんのチームだなと思いました。…悔しいですけどね」と脱帽した。
鹿島が17個獲得した国内主要タイトル(リーグ戦年間王者、ナビスコ杯、天皇杯)のうち、小笠原個人では14個を経験している。36歳になった今季も存在感は圧倒的で、自身でも「36歳っていう年齢は若い部類じゃないですし、ただ…。若いころになかったものっていうのも今はある」と語る。「36歳には36歳なりの良さもありますし、こういう舞台で勝ってきたことばかりがフォーカスされますけど、決勝で負けたこともありますので。どうしたら勝てるのかっていうのが一番の自分の力になると思う」と勝負強さの理由を淡々と表現した。