村上 名門ホワイトソックス入り「ムネと呼んで」2年総額54億円 交渉期限切れ寸前に決定 背番号は「5」
米大リーグのホワイトソックスは21日、ヤクルトから村上宗隆内野手(25)を獲得したと発表した。ポスティングシステムによる移籍で、総額3400万ドル(約53億7200万円)の2年契約。背番号は「5」に決まった。譲渡金は657万5000ドル(約10億3900万円)の見込みで、出来高の付帯条件によってさらに上昇する。22日午前11時(日本時間23日午前2時)から本拠地シカゴで入団記者会見を行う。
日本球界を代表するスラッガーが、名門ホワイトソックス入りを決断した。ポスティングシステムによるメジャー球団との交渉期限が米東部時間22日午後5時(日本時間23日午前7時)に迫る中、総額3400万ドル(約53億7200万円)の2年契約で合意。球団の公式Xにアップされた動画で村上はユニホームに袖を通し、「ムネと呼んで。シカゴに来られてうれしい」と英語で話し、満面の笑みを浮かべた。
村上は自身のインスタグラムでも報告。ヤクルト球団、チームメートに首脳陣、そしてファン、つば九郎への感謝をつづりつつ、2月に他界した球団会長の衣笠剛さんに向けて「ようやくスタートラインに立てました。この瞬間を会長と共有できないのは残念ですが、天国で『村上おめでとう。だけど、ここからだぞ頑張れ!』と声が聞こえます。死に物狂いで頑張ります」と決意表明した。
2017年度ドラフト1位でヤクルトに入団した村上は2年目に新人王に輝き、22年には打率・318、56本塁打、134打点をマークして史上最年少の22歳で三冠王を獲得した。今季は上半身の負傷で前半戦は戦列を離れたが、復帰後は本塁打を量産。56試合の出場でリーグ3位の22本塁打を放った。
その強打には名門復活の期待がかかる。
ホワイトソックスは2005年に3度目の世界一に輝いたが、近年は低迷。24年にはMLB史上ワーストの121敗を記録するなど3年連続100敗以上で、今季もア・リーグ中地区で最下位に沈んだ。今季21本塁打をマークし新人王投票で5位に入った23歳の外野手モンゴメリーや、同16本塁打を放った26歳の三塁手バルガスら若手有望株を中心にチーム再建中で、来年2月に26歳となる村上がフィットしやすい環境にある。米メディアは一塁手や指名打者での起用も予想している。
「メジャーリーグという夢であった舞台で野球ができること、今はその現実にとてもワクワクしています!」とインスタグラムに思いをつづった村上。通算246本塁打の長距離砲がシカゴの地で、自らの価値を証明する戦いに挑む。
◇村上 宗隆(むらかみ・むねたか)2000年2月2日生まれ、熊本県出身。25歳。188センチ、97キロ。右投げ左打ち。九州学院1年夏の甲子園出場。17年度ドラフト1位で、清宮幸太郎(早実-日本ハム)の外れ1位でヤクルト入団。2年目の19年に全143試合に出場し、セ・リーグを代表する強打者となる。22年には令和初の三冠王に輝いた。同年の56本塁打は、プロ野球日本人選手の年間最多。





