大谷翔平 歴史的活躍&シリーズMVPも「最後は七回、投げきりたかった」1試合3発も謙虚に「1試合だけ貢献できましたけど」
「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ドジャース5-1ブルワーズ」(17日、ロサンゼルス)
ドジャースが4連勝で2年連続のワールドシリーズ進出を決めた。「1番・投手」で投打同時出場した大谷翔平投手が打っては先頭打者アーチ、143メートルの衝撃弾を含む1試合3発。投げては右肘手術後最長となる七回途中無失点、2桁10奪三振の快投と歴史的な二刀流のワンマンショーでチームをけん引し、シリーズMVPに輝いた。
「本当に素晴らしいゲーム。素晴らしいチーム相手に勝ちきることができた」と語り「きょう決めるんだという気持ちで臨んでいた。いいゲームだった」と大谷。初回、いきなり先頭打者へ四球を与えてしまったが、後続を3者連続三振に仕留めた。直後の第1打席、スライダーを完璧にとらえると、打球は右翼席に飛び込んだ。自らを援護する一撃。ドジャースの投手がポストシーズンで本塁打を放ったのは球団史上初の快挙だったが、ほんの序章に過ぎなかった。
投手としてテンポよくアウトを積み重ねていく中で迎えた四回の第3打席。今度は右腕が投じた内角スライダーを一閃。打球は右翼席上部にある屋根を直撃し、ベンチではフリーマンらが頭を抱えた。飛距離は143メートルの場外弾。本拠地の興奮が収まらない中、五回もきっちりと三者凡退に抑えポストシーズン2勝目の権利を手にした。
六回には2桁10奪三振に到達した大谷。右肘手術後最長となった七回のマウンドへ上がり、先頭のイエリッチを四球で歩かせ、続くコントレラスに中前打を浴びたところでロバーツ監督がベンチを出て交代を告げた。本人はマウンドで納得いかないような表情を浮かべたが、本拠地のスタンドはスタンディングオベーション。ファンも大満足の二刀流ショーだったが、これで終わらなかった。
直後の七回、第4打席で今度はバックスクリーン左へ3発目のアーチをたたき込んだ。打った直後にベンチを振り向き、ブルワーズのマーフィー監督は思わず首を振った。相手の戦意を完璧に消し去る一撃だ。
「ここまで打ててなかったので、1試合だけ貢献できましたけど、いい打席を送りたいなと思っています」と大谷。それでも満足はせず「最後は七回投げきりたかった。ベシアがいいピッチングしてくれた。助けられました」と言う。
チームは2年連続のワールドシリーズ進出。「1人、1人がチームのために。それがいい形で試合の中で現れている」と大谷。間違いなく後世に名を残す活躍で2年連続最高峰の舞台へ駒を進めた。



